5月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、米地区連銀総裁発言で-106円後半

3日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。ドル指数は1年 ぶり安値から持ち直した。米アトランタ連銀のロックハート総裁が6月 利上げは「現実的な選択肢だ」と述べたことを背景に、ドルの下落に歯 止めが掛かった。

ドル指数は昨年12月以来で最大の上昇。ロックハート総裁は年内2 回の利上げは可能だと発言。米金融当局は先月、政策の現状維持を決め た。この日はクリーブランド連銀のメスター総裁とサンフランシスコ連 銀のウィリアムズ総裁も発言した。

ドルの急速な下落は勢いがなくなりつつあるようだ。ドル相場の勢 いを示す指標は、下げ過ぎと相場反転の可能性を示唆するとされる水準 に近い。6日に発表される米雇用統計は金融当局の利上げを後押しする 可能性もある。

HSBCホールディングスの米通貨戦略責任者、ダラフ・マー氏 (ニューヨーク在勤)は「かなり急速かつ大幅に下げてきた。若干行き 過ぎた感がある」と指摘。「6月の可能性が残っていることを、米金融 当局はこれまでずっと強調しようとしてきた。雇用についての統計はま だこれから発表されるが、当局はその可能性を排除したくないのだと思 う」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.7%上昇。一時は 日中ベースで昨年5月以来の低水準をつける場面もあった。ドルの相対 力指数(RSI、14日間ベース)は38に上昇したが、一時は売られ過ぎ を示唆する30に下げた。

ドルは対円で前日比0.2%高の1ドル=106円60銭。ドルは対ユーロ で0.3%高の1ユーロ=1.1496ドル。

市場では2016年中の米利上げの見通しが後退。金利先物が織り込む 6月利上げの確率はわずか10%、12月利上げの確率は55%となってい る。この算出は次回の利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利 が平均0.625%になるとの仮定に基づく。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月の会合で、労働市場の改 善を示す一方、経済成長の判断は下方修正した。6日発表の4月の雇用 統計では雇用者の伸びが3カ月連続で20万人以上と予想されている。

みずほ銀行の通貨ストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏(ニュ ーヨーク在勤)は「FOMC当局者の発言には注目が集まる。6月は明 らかに非常に大きな会合になるためだ」と指摘。「ドルが突然上昇し始 めるような状況になるとはあまり考えにくい。米金融当局の行動をめぐ ってはまだかなりの不透明感がある」と述べた。

原題:Dollar Rises From 1-Year Low as Lockhart Says June Meeting Live (抜粋)

◎米国株:反落、S&P500は3週ぶり低水準-成長懸念

3日の米国株は反落し、S&P500種株価指数は3週ぶり低水準。 低調な世界経済成長ペースに対する不安が再燃したほか、芳しくない決 算発表が相次いだ。

英国や中国で発表された製造業統計が予想を下回り、投資家の間で 世界経済をめぐる不安が再び広がった。この日は商品株やエネルギー株 が売られた。銀行株も安い。一方、アップルは1998年以来の最長連続安 から反発した。ファイザーも高い。同社四半期利益は予想を上回り、通 期予想は上方修正された。

S&P500種株価指数は0.9%低下して2063.37 。 ダウ工業株30種 平均は140.25ドル(0.8%)安の17750.91ドル。ナスダック総合指数 は1.1%下げた。

シェーファーズ・インベストメント・リサーチのシニア株式アナリ スト、ジョー・ベル氏は「米国の景気が一番ましではあるものの、世界 経済はあまり好調ではないとの見方が続いている」と述べ、「S& P500は2100付近で動きが鈍くなった。数カ月かけて力強く上げてきた 今、ちょっとした値固めに入っている」と続けた。

決算シーズンも半ばを過ぎたが、投資家はこれまで発表された決算 内容から急速な回復への確信には至っておらず、S&P500種採用企業 の決算は4四半期連続で減益となる見通しだ。アップルやマイクロソフ ト、アルファベットの今後の売上高予想はアナリスト予想を下回ってい る。

アナリストの予想によれば第1四半期決算は8.2%減益が見込まれ ている。第2四半期の予想は4.8%減益。年初時点は3.7%の減益だっ た。

金利先物市場では12月の利上げ確率が55%として織り込まれてい る。50%を超える確率が織り込まれているのは12月以降となっている。 アトランタ連銀のロックハート総裁は6月の米連邦公開市場委員会 (FOMC)会合で利上げが実施される確率を金融市場は過小評価して いる可能性があるとの認識を示した。「実際の選択肢としてその確率は もっと高いだろう」と発言。現時点でFOMCが6月に利上げする確率 は12%となっている。

この日はS&P500種産業別10指数はいずれも下げた。エネルギ ー、金融、素材株が特に売られた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は6.3%上昇して15.60。

原題:U.S. Stocks Fall Amid Mixed Earnings as Growth Worries Resurface(抜粋)

◎米国債:急伸、2カ月ぶり大幅高-世界経済の成長懸念で

3日の米国債相場は急伸。10年債利回りは3月以来の大幅な下げと なった。中国や欧州の経済データを受け、成長が減速する世界経済はな お中央銀行の支援を必要としていることが示されたことから、安全資産 である米国債の需要が高まった。

10年債利回りは2週間ぶり水準に低下。欧州連合(EU)の行政執 行機関である欧州委員会は、ユーロ圏の成長率とインフレ率の見通しを 下方修正した。英国では製造業活動の指数が市場予想に反し、3年ぶり に活動の縮小を示した。また中国でも製造業活動の指数が縮小圏を示 し、景気の弱さが裏付けられた。

MCAPの債券責任者、マイケル・フランゼーゼ氏は「中央銀行は 需要を押し上げられていない」とし、「投資家はリスクを回避し、米国 債に資金を向けている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.80%。一時9bp低下と、日中ベースでは3月8 日以来の大幅な下げとなった。同年債(表面利率1.625%、2026年2月 償還)価格は98 15/32。

インフレ見通しに最も敏感な30年債の利回りは7bp低下し2.66% となった。

先物トレーダーらが織り込む12月までの利上げ確率は55%。6月の 利上げ確率は10%となっている。

米アトランタ連銀のロックハート総裁はこの日、フロリダ州アメリ ア島で、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む利上げ確 率約10%に関する記者団の質問に対して、「実際の選択肢としてその確 率はもっと高いだろう」と発言。「今から6月半ばまでの期間、 FOMC参加者とメンバーの発言は次回会合で予想される展開を現実的 な範囲で市場に準備させようとするものになるだろう」と述べた。

金融政策に最も敏感な2年債の利回りは0.75%だった。

RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏 は6月の利上げについて「市場は信じていない」とし、「米国債利回り は低下している。問題は、低下が続いた場合に金融当局者が6月会合へ の言及をやめることにつながるか否かということだ」と述べた。

債券市場のインフレ期待指標であるブレークイーブンレートはこの 日低下した。通常の10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との 利回り格差である10年ブレークイーブンレートは、向こう10年間のイン フレ率が年平均で1.65%になることを示唆しており、金融当局の目標で ある2%を下回る。

ブリッグス氏は「インフレはなかなか実現しない。つまり金利の押 さえ込み継続が支持されるということだ」と述べた。

原題:Treasuries Surge by Most in Two Months on Global Growth Concern(抜粋)

◎NY金:反落、世界最大の金ETP通じた保有は増加

3日のニューヨーク金先物相場は反落。一時は1300ドルを上回る場 面もあった。ブルームバーグのデータによれば、世界最大の金連動型上 場取引型金融商品(ETP)「SPDRゴールド・シェアーズ」を通じ た保有量は前日に20.8トン増加し、1日の増加量としては2011年以来の 最大を記録した。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「1300ドルか それを上回って終了すれば、シェアホルダーらからポートフォリオに金 を保有しているかどうか質問を受けるファンドマネジャーや資産配分担 当者らが増えるだろう」と指摘。「中国やユーロ圏をめぐる懸念が長引 けば、金利は低水準にとどまり、通貨安が続くため、投資家は流動性が 高く交換可能な金でこの局面を切り抜けようとしている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.3%安の1オンス=1291.80ドルで終了。

原題:Investors Boost Gold Assets in World’s Top ETF by Most Since ‘11(抜粋)

◎NY原油:続落、44ドル割れ-統計控え在庫の積み上がり警戒

3日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が3日続落。1バレル当たり44ドルを割 り込んで引けた。米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計の発表 を4日に控え、先週の米在庫が再び積み上がったとの見方が広がってい る。

ヘッジファンド、アレクサンダー・オルタナティブ・キャピタル (マイアミ)の最高投資責任者(CIO)、マイケル・コーセリ氏は 「供給の問題は間違いなく存在し、変わることはない。今度は需要につ いての不安が高まり始めている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比1.13ドル(2.52%)安い1バレル=43.65ドルで終了。一時は43.32ド ルまで下げた。ロンドンICEのブレント7月限は86セント下げ て44.97ドル。

原題:Oil Settles Below $44 in New York Before U.S. Stockpile Report(抜粋)

◎欧州株:3日続落-銀行株と鉱業株に決算失望売り

3日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は2月 以降では最悪の3日続落となった。決算が注目された鉱業株と銀行株の 下げが目立った。

大幅減益となったスイスのUBSグループとドイツのコメルツ銀行 が大きく売られた。英アングロ・アメリカンとスイスのグレンコアを中 心に下げた鉱業株は、約2カ月ぶりの大幅下落となった。世界的に弱い 製造業のデータは金属需要の落ち込みを示唆するとの懸念が強まった。 独BMWを中心に自動車株も値下がり。同社利益はアナリスト予想に届 かなかった。

ストックス600指数は前日比1.7%安の335.56で終了。4月20日に3 カ月ぶり高値を付けたが、同指数は勢いを失い、この日は業種別19指数 全てが下げた。

ドイツ・ポストバンクのストラテジスト、ハインツゲルト・ゾンネ ンシャイン氏(ボン在勤)は「欧州経済指標の改善と明るい業績見通し が市場では現在、最も必要とされている」と語った。

西欧の主要株価指数の中では、スペインのIBEX35指数とイタリ アのFTSE・MIB指数が大きく下げた。連休明けの英国では FTSE100指数が0.9%下落した。

原題:Slides in Banks, Miners Drag Europe Stocks Lower for a 3rd Day(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債、6週ぶり大幅高-EUが物価見通しを引き下げ

3日の欧州債市場では ドイツ10年債が約6週間ぶりの大幅高とな った。欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会がユーロ圏の インフレ率の見通しを下方修正したことを受け、欧州中央銀行 (ECB)が緩和策を拡大するとの観測が強まった。

ユーロ参加国の国債も総じて値上がり。欧州委は3日公表した春季 経済見通しで、域内の今年のインフレ率を平均0.2%と予想。2月時点 の0.5%から引き下げた。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏 (ロンドン在勤)は、「インフレ予測値が低くなればなるほど、ECB が金利や量的緩和(QE)で追加策を講じる公算が大きくなる」と発 言。「成長率見通しはそれほど悪くないかもしれないが、力強さが十分 ではない。インフレ率は低水準にとどまっており、これが欧州債の支援 材料となっている」と語った。

ロンドン時間午後4時8分現在、欧州債の指標とされるドイツ10年 債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下 の0.20%。これは3月17日以来の大きな下げ。同国債(表面利 率0.5%、2026年2月償還)価格は0.645上げ102.895となった。

フランス10年債利回りは6bp下げ0.56%。同国は4日の国債入札 で10年債など合わせて最大80億ユーロ相当の債券を発行する。

原題:German Bonds Rise Most in Six Weeks as EU Cuts Inflation Outlook(抜粋)

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