米国債(3日):急伸、2カ月ぶり大幅高-世界経済の成長懸念で

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3日の米国債相場は急伸。10年債利回りは3月以来の大幅な下げとなった。中国や欧州の経済データを受け、成長が減速する世界経済はなお中央銀行の支援を必要としていることが示されたことから、安全資産である米国債の需要が高まった。

  10年債利回りは2週間ぶり水準に低下。欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、ユーロ圏の成長率とインフレ率の見通しを下方修正した。英国では製造業活動の指数が市場予想に反し、3年ぶりに活動の縮小を示した。また中国でも製造業活動の指数が縮小圏を示し、景気の弱さが裏付けられた。

  MCAPの債券責任者、マイケル・フランゼーゼ氏は「中央銀行は需要を押し上げられていない」とし、「投資家はリスクを回避し、米国債に資金を向けている」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.80%。一時9bp低下と、日中ベースでは3月8日以来の大幅な下げとなった。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)価格は98 15/32。

  インフレ見通しに最も敏感な30年債の利回りは7bp低下し2.66%となった。

  先物トレーダーらが織り込む12月までの利上げ確率は55%。6月の利上げ確率は10%となっている。

  米アトランタ連銀のロックハート総裁はこの日、フロリダ州アメリア島で、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む利上げ確率約10%に関する記者団の質問に対して、「実際の選択肢としてその確率はもっと高いだろう」と発言。「今から6月半ばまでの期間、FOMC参加者とメンバーの発言は次回会合で予想される展開を現実的な範囲で市場に準備させようとするものになるだろう」と述べた。

  金融政策に最も敏感な2年債の利回りは0.75%だった。

  RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏は6月の利上げについて「市場は信じていない」とし、「米国債利回りは低下している。問題は、低下が続いた場合に金融当局者が6月会合への言及をやめることにつながるか否かということだ」と述べた。

  債券市場のインフレ期待指標であるブレークイーブンレートはこの日低下した。通常の10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り格差である10年ブレークイーブンレートは、向こう10年間のインフレ率が年平均で1.65%になることを示唆しており、金融当局の目標である2%を下回る。

  ブリッグス氏は「インフレはなかなか実現しない。つまり金利の押さえ込み継続が支持されるということだ」と述べた。

原題:Treasuries Surge by Most in Two Months on Global Growth Concern(抜粋)