黒田日銀総裁:今の円高は経済に好ましくない影響与える恐れ

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  • 物価安定に必要ならちゅうちょなく追加措置-独で記者団に発言
  • 3日のアジア市場では1ドル=106円05銭まで円上昇

ドイツを訪問している日本銀行の黒田東彦総裁は日本時間3日未明、最近の急速な円高について、経済実態や物価に与える影響を注視しており、必要なら追加の金融緩和に踏み切る姿勢を示した。

  アジア開発銀行(ADB)年次総会などに出席のため訪問中のフランクフルト市内で記者団に語った。黒田総裁は「為替レートが経済に影響持つのはその通り」と述べた上で、「今のような円高というのは経済にとって好ましくない影響を与える恐れはあると思っている」と語った。

  さらに総裁は「こういった市場の動向については、その経済の実態あるいは物価に与える影響について注視していく」と述べ、「2%の物価安定目標の達成のために必要になれば、ちゅうちょなく追加的な金融政策を講ずるという姿勢についてまったく変わりない」と発言した。

  欧州歴訪中の安倍晋三首相も3日未明、フランスのオランド大統領との会談で為替の急激な変動は好ましくないとの認識を示したとNHKが伝えた。それによれば、安倍首相は会談で、世界経済の持続的な成長に向け、機動的な財政出動も辞さないという強いメッセージを出したいという考えを示すとともに、為替の安定も重要だと述べたという。

  日銀が4月末の金融政策決定会合で追加緩和を見送ったのを受けて円相場は上昇、週明け2日の東京市場では1ドル=106円台前半と1年半ぶりの高水準となった。3日のアジア市場でも米金融当局による早期の追加利上げ観測が後退したことでドル売りが進み、一時1ドル=106円05銭に上昇した。

  日本経済は、2015年10-12月期の国内総生産(GDP)がマイナスに落ち込んだ。株式市場もTOPIXが年初来で16%下落。日銀が2%を目標としている生鮮食品を除く消費者物価の上昇率は3月に前年比0.3%低下と、黒田総裁が量的・質的緩和を導入した13年4月以来の落ち込み幅となった。

(第3段落以降にNHKが報じた日仏会談での安倍氏の発言などを追加.)
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