5月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、利上げ観測が後退-対円は106円前半

2日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。ドル指数はほぼ 1年ぶりの低水準となった。米国の利上げが近く実施されることはない との観測が背景。

ドルは主要通貨の大半に対して下落。市場が織り込む6月の米連邦 公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ確率は12%に低下した。ド ルは対ユーロでは6営業日続落と、昨年9月以降で最長の連続安。米供 給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数は市場予想 に届かなかった。

ドルは対ユーロで4月に月間ベースで下落し、2013年以来最長の3 カ月連続安となった。米国の金融政策当局は世界や国内経済が利上げに 耐えられるという確信を得ていないとみられることが背景にある。

スコシアバンクのチーフ為替スペシャリスト、ショーン・オズボー ン氏は「今後数週間、米金融当局はまったくの関心の外に置かれるだろ う。6月会合さえも、利上げが可能かどうかかなり怪しい」と指摘。 「米当局が利上げ先送りに動いたため、過去数週間のドルはとにかく芳 しくない。この状況が続くのは確実であり、短期的にそうなるのは間違 いない」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前営業日比0.3%低下。昨 年5月15日以来の低水準に落ち込んだ。ドルは対ユーロで0.7%安の1 ユーロ=1.1534ドルと、昨年8月24日以来の安値水準。ドルは対円 で0.1%未満下げて1ドル=106円41銭。

先週のFOMC会合以降、米国での金利上昇見通しは後退してい る。FOMCは労働市場の改善を示す一方、経済成長の判断は下方修正 した。

4月のISM製造業総合景況指数は50.8と、前月から1ポイントの 低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は51.4だっ た。

一方、英マークイット・エコノミクスが発表した4月のユーロ圏製 造業購買担当者指数(PMI)改定値は51.7と、速報値の51.5から上方 修正された。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン 在勤)は「ユーロ圏はこれまでよりも順調に見える」と述べた。

原題:Dollar Reaches 1-Year Low as Fed Rate Increase Speculation Cools (抜粋)

◎米国株:反発、S&P500は2週ぶり大幅高-銀行株買い

2日の米国株は反発。S&P500種株価指数は約2週間ぶりの大幅 上昇となった。銀行株が持ち直したほか、アマゾン・ドット・コムが連 日の大幅高で消費関連株の上げをけん引した。

アマゾンは3.7%高、4カ月ぶり高値に上昇した。ウェルズ・ファ ーゴ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)も高い。米油田サービス会 社ハリバートンは上昇、同業のベーカー・ヒューズは下落。両社は280 億ドル規模の合併を取りやめると発表した。

S&P500種株価指数は0.8%上昇して2081.43 。 ダウ工業株30種 平均は117.52ドル(0.7%)高の17891.16ドル。ナスダック総合指数 は0.9%上昇した。

マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツ(ペンシルベニア州 ベスレヘム)の最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「何と か堅調を維持しているが、市場には確信といったものがない」と述べ、 「企業決算はせいぜい強弱混在といったところで、業績予想を受けて投 資家は今後について一考している。その一方で、急激な後退を示唆する 兆候もない。この水準で値固めが進んでいる」と続けた。

決算シーズンも半ばを過ぎたが、投資家は利益が回復するとの確信 には至っておらず、S&P500種採用企業の決算は4四半期連続で減益 となる見通しだ。S&P500採用企業のうち、今週はファイザーやプラ イスライン・グループなど約115社が決算を発表する。すでに発表した 企業のうち、利益がアナリスト予想を上回ったのは77%、売上高が予想 を上回ったのは58%となっている。アナリストの予想によれば第1四半 期決算は8.2%減益が見込まれている。

金利先物市場では12月の利上げ確率が60%として織り込まれてい る。50%を超える確率が織り込まれているのは12月以降となっている。

S&P500種産業別10指数はいずれも上昇した。一般消費財・サー ビス株や金融株、生活必需品株が特に上げた。エネルギー株はほぼ変わ らず。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は6.5%低下し14.68。

プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は1.1%高。スナック 菓子メーカー、モンデリーズ・インターナショナルも高い。北米最大の 食品流通業者シスコは決算が買い材料となり過去最高値に上昇した。

S&P500種金融株価指数は1.1%上昇。不動産投資信託のパブリッ ク・ストレージは3.2%上昇し、オンライン証券会社Eトレード・ファ イナンシャルは2.1%上昇した。

原題:U.S. Stocks Rebound From Weekly Decline as Amazon, Banks Climb(抜粋)

◎米国債:下落、製造業者の仕入れ価格上昇でインフレ懸念

2日の米国債相場は下落。この日の統計で米製造業者の仕入れコス ト指数が大幅上昇し、インフレ懸念が広がった。

インフレや経済成長の見通しに最も敏感な30年債の利回りが特に大 きく上昇した。この日は米株式相場が約2週間ぶりの大幅高となった。 米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数では、 仕入れ価格指数が59と、2014年9月以来の高水準に上昇。ブルームバー グがまとめたエコノミスト予想(52)を上回った。米金融当局は利上げ のタイミングを検討する上で、インフレ加速の兆候を探している。

ブリーン・キャピタルのマネジングディレクター、ラス・サート氏 は「私が記憶する中では、今回の仕入れ価格指数の上昇は市場予想との 比較という点で最も大きなものだ」と指摘。「一部はこれを金融政策が 後れを取っている状況と解釈する。よって債券相場が打撃を受けてい る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債の利回りは前週末比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の2.73%。一時は2.66%に下げる場面もあった。 同年債(表面利率2.5%、2046年2月償還)価格は95 13/32。

10年債利回りは4bp上昇の1.87%。

2年債と30年債の利回り差(イールドカーブ)は1.93ポイントに拡 大し、2月17以降で最大となった。

ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネジングディレクタ ー兼金利共同責任者グレン・カペロ氏は「インフレは誤って設定された シナリオになっている」と指摘。「実現の是非はともかく、現在はこの シナリオを織り込む必要がある。よってバックエンドのリスクプレミア ムは上昇し、イールドカーブがスティープ化することになる」と述べ た。

債券市場のインフレ期待指標である、米10年債と同年限TIPSの 利回り差(ブレークイーブンレート)は先週、7月以来で最大となっ た。この日は2bp縮小して1.69ポイント。

先物トレーダーらが織り込む6月までの利上げ確率は12%と、1週 間前の20%から低下。年内に少なくとも1回は利上げが実施される確率 は60%となっている。

原題:Treasuries Fall as Rising Manufacturing Costs Hint at Inflation(抜粋)

◎NY金:一時1300ドル台、15年1月来初-低金利長期化の観測

2日のニューヨーク金先物相場は上昇し、一時1オンス=1300ドル を上回った。世界的に低金利が続くとの観測を背景に、金の需要が高ま った。

エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のプレジデ ント、クリス・ギャフニー氏は電話インタビューで、「今は貴金属にと って有利な材料が多いと確信している。それは低金利の環境や利上げ見 通しの後退、ドル安だ」と指摘。「貴金属の上昇はまだ始まりに過ぎな いと当社では確信している」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前週末 比0.4%高1オンス=1295.80ドルで終了。一時は1.2%高の1306ドル と、2015年1月22日以来の高値をつけた。

銀先物7月限は0.8%安の17.682ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナは上昇。パラジウムは下落した。

原題:Gold Passes $1,300 as Investors See Rates Remaining Low Longer(抜粋)

◎NY原油:続落、45ドル割れ-イラク輸出が過去最高に接近

2日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が2営業日続落。4月のイラク原油輸出 が過去最高水準に迫ったことを嫌気し、大幅安となった。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は 「原油市場は恐らく最悪期を過ぎたようであり、それは朗報だ。悪いニ ュースは、単に今の価格が将来を先取りし過ぎていることだ」と述べ た。「米国で生産が減少した分をすべて、石油輸出国機構(OPEC) が埋め合わせしようとしているかのようだ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前営 業日比1.14ドル(2.48%)安い1バレル=44.78ドルで終了。ロンドン ICEのブレント7月限は1.54ドル(3.3%)下げて45.83ドル。

原題:Oil Falls Below $45 in New York as Iraq Exports Approach Record(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、アリアンツなど保険株上昇-銀行は下落

2日の欧州株式市場では、薄商いの中で主要株価指数がほぼ変わら ずとなった。保険株が上昇した一方、銀行株は売られた。指標のストッ クス欧州600指数は前週末、約2週間ぶりの安値で引けていた。

ドイツのDAX指数では保険会社アリアンツの上げが目立った。四 半期決算が21%増益となったことが好感された。フィアット・クライス ラー・オートモービルズ(FCA)も上昇。セルジオ・マルキオンネ会 長は、中国市場の見通しについて明るい見方を強めていると述べた。一 方でイタリアの銀行を中心に銀行株が下落。ポポラーレ・ディ・ビチェ ンツァ銀行の新規株式公開(IPO)で投資家の需要が振るわなかった ことが嫌気された。ドイツ銀行は2.7%安。英金融行動監視機構 (FCA)はドイツ銀行に送付した3月2日の書簡で、マネーロンダリ ング(資金洗浄)を阻止する同行の取り組みの「深刻な」問題を非難し た。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。

ストックス600指数は前営業日比0.1%安の341.24で終了。取引時間 中は上げ下げを繰り返す展開となった。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「英国が祝日であることから、きょうの市場はかなり静かだ」 とし、「市場に不透明感が残る限り、動きはある程度抑制されると見込 む必要がある。ただ1、2月と比べると指数はかなり居心地の良い水準 にある。投資判断という点で今週は企業からより多くの情報が提供され る」と続けた。

原題:Europe Stocks Little Changed After Weekly Loss as Allianz Climbs(抜粋)

◎欧州債:デフレに備えたデリバティブが17カ月ぶり安値

欧州中央銀行(ECB)によるかつてない規模の景気刺激措置が、 インフレを押し上げるとの見方が強まっていることが、2日の欧州債券 市場で顕著となった。デフレに備えたデリバティブ(金融派生商品)の 価格は17カ月ぶりの水準に下げた。

DZバンクの債券ストラテジスト、ヘンドリク・ロッデ氏は市場の 物価指標は上昇しているものの、ECBのドラギ総裁はこうした期待が 安定して推移するために追加緩和への選択肢を残さざるを得なくなると 指摘。「インフレ率は2016年後半に緩やかに上昇すると当社では見込ん でいる」と発言。「原油安による影響は9月になくなり始めるだろう。 市場はインフレがECB目標に急速に戻るとは織り込んでいない」と述 べた。

ブルームバーグのデータによると、財バスケットベースの物価が今 後10年で下がった場合に支払われるデリバティブの価格は27ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)に低下。終値ベースで2014年12月3日 以来の低水準となる。

ロンドン時間午後4時55分現在、ドイツ10年債利回りは0.27%。

原題:Europe’s Price for Deflation Protection Drops to 17-Month Low(抜粋)