日本株大幅に5日続落、円高進み業績警戒-全業種下げ1300割り込む

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2日の東京株式相場は大幅に5営業日続落。一段の円高進行で企業業績の悪化が警戒され、電機や輸送用機器、ゴム製品など輸出株、海運やガラス・土石製品株など海外景気敏感セクターを中心に東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前営業日比40.59ポイント(3%)安の1299.96と4月12日以来、およそ3週間ぶりに1300ポイント割れ。日経平均株価は518円67銭(3.1%)安の1万6147円38銭で、一時1万6000円を下回った。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの三沢淳一執行役員は、「日本銀行に対する期待の反動が強めに出てしまった。為替だけでなく、世界景気の先行きが見通しにくい面もあり、企業の業績計画はかなり保守的になっている。目先は買い材料に乏しい」と指摘した。

  東京市場が3連休中だった海外為替市場でドル安・円高が進んだ流れを受け、きょうのドル・円相場は一時1ドル=106円14銭と2014年10月以来の円高水準を付けた。日本株市場の4月28日終値時点は108円96銭。日本銀行が28日の金融政策決定会合で追加緩和を見送った上、米財務省による為替報告書の内容、米国の軟調な経済統計なども影響した。

  米財務省は29日に半期に一度の外国為替報告書を発表、日本や中国、ドイツ、韓国、台湾を新たに設けた「監視リスト」に入れた。5カ国・地域が不公正な為替政策の可能性があるとする3つの基準のうち、2つに抵触すると判断。3つの基準全てに抵触したと判断されれば、2国間協議を開始し、場合によっては制裁対象とする。

  一方、米商務省が28日に発表した1ー3月期(第1四半期)の実質国内総生産(GDP)速報値は年率で前期比0.5%増と昨年10ー12月期の1.4%増から減速、2年ぶりの低い伸びとなった。3月の米個人消費支出(PCE)は市場予想を下回る伸びで、4月の米消費者マインド指数は7カ月ぶりの低水準。28、29両日の米国株は安く、S&P500種株価指数は2日間で1.4%下落。ストックス欧州600指数は29日に2.1%安だった。

  大型連休の谷間となった2日の日本株は、円高進行や米経済統計の弱さ、海外株安を嫌気し、朝方から大幅安の展開。東京市場が再び連休に入る日本時間今夜以降の海外市場への警戒に加え、為替要因による業績懸念から下値でも買いが入りにくかった。UBS証券の大川智宏エクイティ・ストラテジストは、「1ドル=105円になると10%ほど減益になってもおかしくない」と指摘する。日経平均の予想PERから逆算した予想1株利益は1058円と、14年11月以来の低水準。SMBC日興証券によると、28日までに16年3月期本決算を開示したTOPIX301銘柄の今期経常利益計画は東洋経済予想に比べ12%下方乖離(かいり)している。

  個別では、17年3月期の営業利益予想が市場予想を下回った村田製をはじめ、アルプス電気やTDK、太陽誘電など電子部品銘柄の下げがきつかった。セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「スマートフォン関連はこの数年、景気を引っ張っていたところがあった。減速するとまた下支えを失ってしまい、日本経済にも影響がある」と話した。電子部品銘柄には、資産家による保有株売却のニュースで、米アップル株が28日の取引で2カ月ぶり安値に下げた材料もあった。

  東証1部の売買高は24億9517万株、売買代金は2兆6239億円。上昇銘柄数は168、下落は1758。33業種は海運、ガラス・土石製品、電機、輸送用機器、証券・商品先物取引、ゴム製品、その他金融、陸運、金属製品、パルプ・紙が下落率上位。

  売買代金上位ではトヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、ソニー、ファーストリテイリング、富士重工業、デンソー、日産自動車、マツダ、パナソニック、野村ホールディングスが安く、今期営業利益計画が市場予想を下回ったコーセー、今期も営業減益を計画するリコーは急落した。半面、三菱自動車や日東電工、NTTドコモ、キリンホールディングスは上げ、今期も連続営業増益を計画したANAホールディングス、スタートトゥデイも高い。