債券上昇、日銀オペで20年利回り過去最低-残高落とさない選択との声

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  • 新発20年債利回りは一時0.235%まで低下、30年債利回り0.285%
  • 為替と株価動向も金利が上昇しない材料に-ドイツ証・山下氏

債券相場は上昇。円高・ドル安傾向や日本株安に加えて、日本銀行の長期国債買い入れオペが強めの結果となったことが買い材料となり、新発20年債利回りは過去最低水準を更新した。

  2日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前営業日の午後3時時点の参照値より3ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.115%で開始した。一時マイナス0.12%を付けた後、マイナス0.115%に戻している。

  新発20年物の156回債利回りは3bp低い0.26%で始まり、一時は0.235%まで下げて、過去最低を更新。その後は0.24%で推移している。新発30年物の50回債利回りは3bp低い0.295%で開始し、その後は0.285%まで下げた。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「ゴールデンウイーク期間中は入札がないので売りが出ない。来週の10年債入札まで供給がなく、今週末に米雇用統計が出るので、ゴールデンウイーク明けにヘッジ売りが出る以外は売りが出ない状況」と指摘。「日銀は国債買い入れオペを実施しており、利回り曲線は超長期ゾーンを中心につぶれてきている」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は、前営業日の4月28日終値比23銭高の151円72銭で開始。いったん151円65銭まで伸び悩んだが、次第に水準を切り上げ、151円92銭まで上昇。結局は31銭高の151円80銭で引けた。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「大型連休の谷間で投資家はキャリーとロールを稼ぐために、国債残高を落とさない選択をし、需給が逼迫(ひっぱく)しそうだ」と指摘。ただ、日銀緩和をめぐる騒動などで、「投資家もフラット化を追いかける際にはより注意を強め、利益確定の売りも頻繁に入りやすくなるだろう」と言う。

日銀買い入れオペ

  日銀が実施した今月1回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間1年以下の応札倍率が前回から低下し、10年超25年以下と、25年超は上昇した。一方、落札利回りは市場実勢に比べて低く決まったとの見方が出ていた。

  ドイツ証の山下氏は、日銀オペについて、「強めの結果が想定されていた。予想通り減額された25年超のゾーンで札が流れた形になり、強めの結果だった。需給のタイト感がある」と話した。

  今回のオペは、10年超25年以下の買い入れ額が2400億円と前回から200億円の増額、25年超は1600億円と同200億円の減額となり、日銀が4月28日に発表した当面の長期国債買い入れ運営方針に沿った変更となった。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、日銀国債買い入れオペに加えて、円高や株安の外部環境もサポートとした上で、「リスク資産サイドは日銀の追加緩和見送りのショックが相応に大きいようだが、円債は超長期ゾーンが買われるなど影響は限定的」と説明。「4月に緩和を予想していたところも7月に予想を変えてくるだろう。目先はゴールデンウイークの影響から営業日ベースでみて超長期ゾーンの買いオペが過密日程気味に実施されそうだ」と話した。

  東京外国為替市場でドル・円相場は下落し、一時1ドル=106円台前半までドル安・円高が進んだ。この日の東京株式相場は大幅下落。日経平均株価は、前営業日比518円67銭安の1万6147円38銭で取引を終えた。一時は700円近く下げる場面があった。