ユーロ圏物価が4月に下落、予想以上の悪化-ECBの困難浮き彫りに

  • 4月のインフレ率はマイナス0.2%、市場予想はマイナス0.1%
  • 1-3月GDPは前期比0.6%増、1年ぶり高成長

ユーロ圏経済は1-3月(第1四半期)に1年ぶりの高成長を果たしたものの、インフレは4月に予想以上に下落した。ドラギ総裁率いる欧州中央銀行(ECB)が直面する政策課題を浮き彫りにした。

  欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が29日発表した、4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比0.2%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では0.1%低下が見込まれていた。ただ、同時発表された1-3月の域内総生産(GDP)は前期比0.6%増加し、3月の失業率は10.2%に低下したことから、ECBにとっては全く悪いニュースではなかった。

  ドラギ総裁はこれまでユーロ圏の状況は緩やかに改善しつつあると指摘していたが、インフレ見通しをめぐる懸念は警戒を緩めていない。ECBは先月、全ての政策金利を引き下げ、追加刺激策を決めた。インフレ回復のためなら追加刺激策に踏み切る意思もあると、総裁は表明している。

  ABNアムロ銀行(アムステルダム)のエコノミスト、ニック・コーニス氏は「景気回復は今後も緩やかなペースで進むと見込んでいる」と述べた上で、「だが、経済のスラック(たるみ)と賃金伸び悩みを鑑みると、基調的なインフレ圧力は極めて弱い状況が続く公算が大きい」と続けた。

  ユーロスタットはより速やかに統計を明らかにしようと、GDP発表を従来よりも2週間早めた。ECBが政策決定する上で助けになる可能性がある。四半期終了から約1カ月以内にGDPを発表している英国や米国と時期が一致するようにもなった。

原題:Draghi Challenge Seen as Prices Fall More Than Forecast (1)(抜粋)

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