NY外為:ドル下落、GDP減速がFOMCの利上げ慎重姿勢を支持

更新日時
  • 世界の主要中銀が政策を維持、政策かい離の見通しが後退
  • 日銀の追加緩和見送りで円急伸、ドル下落につながった

28日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落し、ドル指数は昨年6月以来の低水準をつけた。米経済成長率が市場予想を下回ったことから、一段の金融引き締めに踏み切る前にデータを引き続き注視するとの金融当局の決定が裏付けられた。

  ドルは主要通貨すべてに対して下落。第1四半期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)速報値は2年ぶりの低い伸びにとどまった。日本銀行は金融政策の現状維持を決めた。これを受けて円が急伸、ドルは値下がりした。米金融当局は3会合連続で政策金利を据え置いた。ニュージーランド準備銀行は政策金利を据えた置いたものの、一段の利下げが必要になる可能性を示唆した。

  コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)のチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「米GDPの数字はもちろん重要だが、世界の他の中央銀行のニュースで影が薄れている」と指摘。「ドルは大半の主要通貨に対して下げている」と述べた。

  ドルは過去2年間に20%上昇したあと、今年に入ってからは5.4%下落している。米金融当局の引き締め政策が為替トレーダーらの予想ほど積極的なものにはならないとの観測が背景にある。他の中銀との政策かい離の見通しが後退した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比1%低下。昨年6月18日以来の低水準となった。ドルは対円で前日比3%安の1ドル=108円11銭。一時は3.2%安と、2010年5月以来の大幅下落となった。

  ブルームバーグがまとめたアナリスト調査の中央値によると、ドルは年央までに対ユーロで1.10ドル、対円では113円にそれぞれ上昇すると予想されている。

  米経済成長が減速した背景には消費の抑制に加え、世界の金融状況の弱さや原油価格の下落に対応して企業が設備投資を控えたことが挙げられる。

  アマースト・ピアポント・セキュリティーズのグローバルストラテジスト、ロバート・シンチ氏は「ドルに有利な金融政策のかい離は日銀や欧州中央銀行(ECB)からはもたらされない」と指摘。「FOMCの利上げによってもたされる必要があるが、それが近く実施されるとの明確な示唆はまだない」と述べた。

原題:Dollar Weakens to 10-Month Low as Economic Slowdown Backs Fed (抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
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