黒田総裁のショック療法、使い過ぎで効かなくなる恐れ

  • 日銀の追加緩和見送りで市場に衝撃
  • 日銀のメッセージは交錯し分かりにくいとアナリスト

日本銀行の黒田東彦総裁はショック療法を使い過ぎたかもしれない。28日の緩和拡大見送り決定に市場は仰天した。

  日銀のコミュニケーション戦略や市場を導いていく能力に首をかしげるアナリストもいた。反応はショックからいら立ちまでさまざまだった。中銀の決定を謎と呼ぶアナリストもいた。

  シンガポール銀行のチーフエコノミスト、リチャード・ジェラム氏は「日銀は視界がきかないもやの中に入ってしまったようだ」と述べた。「日銀は会合に至るまでの市場の期待の管理に失敗した。市場の反応からこれは明らかだ」と指摘した。

  黒田総裁は決定発表後の記者会見で、1月に決めたマイナス金利の効果を見極める必要があると説明。コミュニケーションに問題はないと付け加えた。

  これには異論もある。キャピタル・エコノミクスの日本担当エコノミスト、マルセル・ティーリアン氏は、市場を驚かす戦術を一貫して使い続ければ、投資家が中銀のメッセージから離れていくリスクがあると指摘。

  「日銀は市場を驚かすのが良いことで、何をしようとしているかのヒントを与えないことによって効果を最大にできると考えている。短期的にはそれでうまくいくが、市場参加者は何が起こっているのか分からなくなってしまうというリスクがある」と同氏は述べた。

原題:Bank of Japan’s Surprise Factor Runs the Risk of Wearing Thin(抜粋)