【個別銘柄】日銀動かず金融株が大幅安、アルプス電急騰、任天堂安い

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28日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  金融株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が前日比6%安の520.1円、みずほフィナンシャルグループ(8411)が6.5%安の167.8円、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が6%安の3413円など。日本銀行は28日の金融政策決定会合で政策方針の現状維持を決めた。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、日銀の追加緩和への期待でこの一週間ほど上昇していたので、期待がはげ落ちて下落したと電話取材で述べた。

  ファナック(6954):9.9%安の1万6505円。27日に発表した2017年3月期営業利益計画は前期比46%減の1173億円と、市場予想の1932億円を下回った。中国の設備投資需要の回復にはしばらく時間がかかるとみられるほか、米州の失速懸念などを想定した。16年3月期は28%減の2156億円だった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券ではiPhone6sの想定以上の販売不振から金属筐体加工用ロボドリル需要は終息を迎えると考えていたが、業績の厳しさは想定以上と指摘した。

  任天堂(7974):8.3%安の1万5155円。17年3月期営業利益計画は前期比37%増の450億円と、市場予想の656億円を下回った。メリルリンチ日本証券は投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を2万4000円から1万9000円に引き下げた。シューティングゲーム「Splatoon(スプラトゥーン)」投入で収益改善が進んだ「WII U」を急速に縮小させる会社方針を受け、収益水準が同証想定以上に低下するリスクが高まったと指摘。既存事業の縮小リスクを織り込み17年3月期営業利益予想を796億円から553億円(会社計画450億円)、18年3月期を1197億円から803億円に減額した。

  アルプス電気(6770):9.9%高の1990円。17年3月期営業利益は前期比11%減の465億円を見込む、と27日に発表した。市場予想の586億円を下回ったものの、クレディ・スイス証券では、スマートフォンの前提台数をかなり慎重においた計画となっているもようで、当面の悪材料出尽くしとみる。また、同社は新中期計画も発表、スマホと車載ビジネスの両輪化で収益拡大図り、19年3月期営業利益700億円程度を目指す。野村証券では、アルパインとの協業がより明確に示された点がポジティブと評価した。

  富士フイルムホールディングス(4901):1.2%高の4569円。27日発表の17年3月期営業利益予想は前期比15%増の2200億円と、市場予想の2116億円を上回った。ヘルスケアや高機能材料、ドキュメントを中心とした事業成長に加え、各事業における収益性の改善を見込む。また、発行済み株式総数の3.8%に当たる1500万株、金額で500億円を上限に自己株を取得する。

  野村ホールディングス(8604):10%安の478.9円。1-3月純損益は192億円の赤字だったと27日に発表した。市場予想は234億円の黒字だった。株式市況が不安定だったことから売買手数料やトレーディング収益が減少した。クレディ・スイス証券は欧州と国内のフィクストインカムの落ち込みが予想を上回ったと指摘。フィクストインカムは4月以降回復基調にあるもようだが、第4四半期の国内営業の落ち込みから判断すると利益回復への道のりは容易ではないとみる。

  キーエンス(6861):2.3%高の6万7160円。16年3月期(9カ月変則決算)営業利益は1555億円だった、と27日に発表した。クレディ・スイス証券では、16年1-3月期営業利益は前年同期比9%増の538億円と、高い自力成長率を発揮したと指摘。マクロ環境に負けない収益力は健在で、ファナック、オムロンに対しその強さが際立つと評価した。

  花王(4452):2.5%高の6116円。1-3月期営業利益は前年同期比52%増の344億円だった、と27日に発表した。日本やアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収や石化原料の価格低下が寄与した。SMBC日興証券は化粧品事業の収益改善が表面化している、と指摘。コンシューマープロダクツ事業では、同証が予想する16年12月期の営業増益額175億円に対し67%の進捗率でポジティブな印象とみる。

  スタンレー電気(6923):6.5%安の2292円。27日に発表した17年3月期営業利益予想は前期比13%増の415億円と、市場予想450億円を下回った。クレディ・スイス証券では、実勢よりも円安の水準に置かれた為替前提もあり、市場期待値よりはやや弱い印象が残ると指摘。やや失速感が残る決算内容とみる。

  日野自動車(7205):13%安の1082円。17年3月期予想は前期比19%減の800億円と、市場予想の1090億円を下回った。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では同社予想や市場コンセンサスを大幅に下回り、印象はネガティブと指摘。第4四半期に海外販売に急ブレーキがかかったもようで、このような傾向が近い将来に大きく好転するとはとても思えないとした。

  日本航空電子工業(6807):20%高の1501円。17年3月期営業利益は前期比6%増の190億円を見込む、と27日に発表した。市場予想は160億円だった。メリルリンチ日本証券は、今期は同証予想の188億円を上回る水準でポジティブとし、前期も円高進展やスマートフォン市場の鈍化を考慮すれば、堅調な内容だったとみる。

  富士電機(6504):17%高の475円。16年3月期営業利益は前の期比15%増の450億円だったと27日に発表した。主にコストダウンなどの体質改善効果が寄与した。17年3月期営業利益は前期比4.4%増の470億円を見込む。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、16年3月期は同証想定以上のコスト削減で営業利益は計画を達成し、利益計画へのコミットメントの強さがうかがえると評価した。

  山崎製パン(2212):5.2%高の2612円。16年1-3月期の営業利益は前年同期比58%増の91億7800万円だった、と27日に発表した。主力の食品事業で菓子パンが堅調だったほか、コンビニエンスストアチェーンとの取引拡大で調理パン・米飯類も伸びた。

  カワチ薬品(2664):21%高の2562円。16年3月期営業利益は前の期比66%増の46億5600万円だった、と27日に発表した。販売価格や品揃えの見直しを進め、雑貨などの売り上げが伸びた。17年3月期営業利益は前期比18%増の55億円を見込む。また、発行済み株式総数の2.6%に当たる60万株、金額で10億円を上限に自己株を取得すると発表した。