円急伸、日銀緩和見送り「非常に失望的」との声-対ドル108円台突入

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  • 発表直前の111円台後半から一時108円06銭までドル安・円高進む
  • 100円に向かえば介入リスクが高まる-ABNアムロ

28日の東京外国為替市場では円が急伸。日本銀行が金融政策の現状維持を決めたことを受け、円の買い戻しが活発化し、対ドルでは1ドル=108円台前半まで円高が進んだ。

  午後4時39分現在のドル・円相場は108円35銭前後。正午すぎの日銀会合結果の発表後に108円台後半まで急速に値を切り下げ、午後の取引終盤には黒田東彦総裁の記者会見を受けて一時108円06銭と今月18日以来の水準までドル安・円高が進んだ。朝方は111円88銭まで円売りが進み、日銀会合結果の発表直前は111円70銭付近で推移していた。

  ABNアムロのシニア通貨アナリスト、ロイ・テオ氏(シンガポール在勤)は、日銀会合で何もなかったのは失望だとし、「日銀はインフレや輸出の短期的な弱さという意味でより寛容なようだ」と指摘。ドル・円は108円に向けて下落するリスクがあるとした上で、「介入は一方的な相場変動かどうかによる。100円に向かえば介入リスクが高まる」と話していた。

  日銀はこの日の金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を賛成多数で決めた。物価上昇率が目標の2%程度に達する時期は「2017年度中」として、従来の「17年度前半ごろ」から延長した。熊本地震を受けて被災地金融機関支援オペの導入を決定した。ブルームバーグが15-21日にエコノミスト41人を対象に実施した調査で、23人が追加緩和を予想していた。

  追加緩和が見送られたことを受け、東京株式相場は大幅に4日続落。日経平均株価は午前には200円以上上げていたが、午後に入り急落し、624円44銭安の1万6666円05銭で引けた。

  黒田総裁は午後の会見で、今回の会合について「政策効果の浸透を見極めていくことが適当と判断した」として、1月に導入を決定したマイナス金利の効果を見守る必要性を示した。同時に「今後、毎回の金融政策決定会合でリスクを点検し、必要と判断すれば量、質、金利の3次元で追加緩和を講じる」と語り、必要に応じてちゅうちょなく追加緩和を進める意向を示した。一方、貸出支援基金へのマイナス金利導入に関しては「今回議論してない」と述べた。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、「日銀の結果が失望となったことで、先週からの期待で押し上げたドル・円の上げが吐き出された形」と説明。米国が利上げ方向にあることは確かだとし、ドル・円の下値を当面は108円とみる。一方、「ゴールデンウイーク中にリスク回避となった場合は108円割れのリスクも高まるほか、ゴールデンウイーク明けの企業決算を受けた日経平均次第では年初来安値(107円63銭)を割り込むリスクが出てくるだろう」としている。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要通貨全てに対して前日終値比で1%以上上昇。ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=126円47銭と今月5日以来のユーロ高・円安水準を付けていたが、日銀の結果発表を受けて122円68銭まで円買いが進んだ。

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