日本株大幅に4日続落、日銀ゼロ回答で全業種下げ-午後崩れ600円安

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28日の東京株式相場は大幅に4日続落。日本銀行が金融政策の現状維持を決め、投資家の間で失望感が広がった。為替市場で円高圧力が強まった午後に先物主導で急落、日経平均株価の下げ幅は600円を超え、証券や銀行、保険など金融株を中心に輸送用機器、鉄鋼、不動産株と東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前日比43.75ポイント(3.2%)安の1340.55、日経平均株価は624円44銭(3.6%)安の1万6666円5銭と両指数ともこの日の安値圏で終了。日経平均の1万7000円割れは20日以来、6営業日ぶり。

  富国生命投資顧問の奥本郷司社長は、「日銀が消費者物価指数(CPI)の見通しを下げることで、何か行うだろうというのは市場の共通認識としてあった」と述べ、「期待が剥落して短期トレード主体のポジションが整理され、株価や為替はごくニュートラルな水準に戻った」とみる。日銀の判断については、「金融政策の限界論が出ている中で、手段が今後限られてくることことから少し慎重になった可能性がある。穏当な決定」と指摘した。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)後の為替の安定、海外原油市況の上昇や米国株の堅調が好感され、きょうの日本株は輸出や資源株中心に反発して開始。日経平均は午前の取引で、一時281円高の1万7572円まで買われた。

  しかし、日銀の政策据え置きが市場に伝わった昼休み時間帯に為替のドル売り・円買い、株価指数先物売りが加速。この影響で日本株も午後の開始から一気に崩れた。ドル・円は午前の1ドル=111円80銭台から、午後は108円台後半までおよそ3円円高方向に振れた。

  株価の反応が大きくなった背景について、「さまざまな手段が検討されているとの見方や国内景況感の足踏み感から、株式市場には今回過大な期待、先走り感があった」とみずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は振り返る。実体経済の下振れに対する感覚について、株式市場と日銀との中で温度差が生まれたとし、「金融政策は実体経済への効果が表れるまでタイムラグがあり、このタイミングでの追加緩和は早過ぎる」と話した。

  日銀は28日に開いた金融政策決定会合で、量的・質的緩和やマイナス金利など政策方針の現状維持を賛成多数で決めた。物価上昇率が目標の2%程度に達する時期は「2017年度中」とし、従来の「17年度前半ごろ」から延長した。ブルームバーグが15-21日に専門家41人を対象に行った調査では、日銀による刺激策拡大を予想しているのは23人。複数回答可で手段を聞いたところ、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い増しを予想する向きが多かった。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、今期の企業業績は「想定通り悪い」とした上で、今期5%減益を織り込んだ日経平均の妥当水準は1万6500円程度で、それ以上は政策期待が加わった水準とみている。

  主要企業の決算発表が本格化している中、2017年3月期営業利益が大幅減益計画のファナック、17年3月期の営業利益計画が市場予想を下回った任天堂が大幅安。一方で、17年3月期営業利益計画は予想を下回ったものの、ゴールドマン・サックス証券が保守的な会社計画でみたPERでも割安とし、強い買い推奨を継続したアルプス電気は10%超急騰。今期は営業増益転換を見込む日本航空電子工業や1-3月期営業利益が前年同期比52%増の花王も上昇と、相場全般が急落した中で強さを見せる銘柄もあった。

  野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、「アルプス電や航空電子の急伸など、全般的に悪くとも好反応。イビデンのように悪いと言われたものでも1日で切り返してくる」とし、弱気一辺倒ではないマーケットの現状を指摘した。

  東証1部33業種の下落率上位は証券・商品先物取引、銀行、保険、海運、鉄鋼、その他金融、不動産、その他製品、輸送用機器、ゴム製品など。東証1部の売買高は31億5932万株、売買代金は3兆1869億円と代金は2月12日以来の高水準に膨らんだ。上昇銘柄数は228、下落は1681。売買代金上位ではトヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンク3行、野村ホールディングス、ファーストリテイリング、デンソー、三井不動産などが安い半面、キーエンスや富士フイルムホールディングス、日本ガイシは高い。

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