ドイツ銀の監査役会長の盟友が今や孤立-行き過ぎた追及で辞任圧力も

  • アハライトナー氏とトーマ氏は他の監査役会メンバーの面前で衝突も
  • アハライトナー氏がトーマ氏の監査役会メンバーへの起用を後押し

ドイツ銀行のパウル・アハライトナー監査役会会長は、数十億ドルの法的費用を伴う訴訟や当局による処分といった難局を乗り切るための専門家として、20年余り協力関係にあった弁護士のゲオルク・トーマ氏の力を借りたいと考え、2013年の監査役会メンバーへの起用を後押しした。

  しかし、トーマ氏(71)がバンカーらに牙を向けたことで、ドイツ最大手行の内部で対立が生じ、問題が深刻化している。同氏を公然と批判する少なくとも2人の取締役会メンバーによれば、アハライトナー氏やドイツ銀の経営幹部に対するトーマ氏の踏み込んだ追及が、彼を孤立させた。事情に詳しい関係者1人によると、20人の役員で構成する監査役会が週内に開催されるが、トーマ氏は辞任圧力を受けている可能性があり、同氏の進退が監査役会の議題になる公算が大きい。

  このような緊張状態は、トーマ氏による調査が取締役会の人間関係をぎくしゃくさせた2014年にさかのぼる。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)設定慣行をめぐる英当局の調査への対応の過程で、アハライトナー氏がどのような役割を果たしたか内部調査が現在行われているが、事情に詳しい複数の関係者によれば、トーマ氏はジョン・クライアン共同最高経営責任者(CEO)に調査の承認を昨年求めた。

  ドイツの広報担当者は、同行とアハライトナー氏の両方を代表する立場としてコメントを控えている。トーマ氏にもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

  不正行為疑惑調査の過剰な経費とトーマ氏の行き過ぎを批判するドイツ銀のアルフレト・ハーリング監査役会副会長の発言が、独紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)日曜版に掲載されたことで、今週になってドイツ銀内部の対立が表面化した。

  アハライトナー氏とトーマ氏との口論を目撃した複数の関係者が語ったところでは、2人は他の監査役会メンバーの面前で衝突する場面もあり、戦略や手続きをめぐる小さな問題でもぶつかったという。

  ボストン大学の講師を務め、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの盛衰に関する「制御されないリスク」(原題)の著者でもあるマーク・ウィリアムズ氏は、「あからさまな内紛の広がりは健全ではなく、ガバナンス(企業統治)の問題が解決されていないことを示している」と指摘した。

原題:Deutsche Bank Board Uproar Pits Lonely Lawyer Against Chairman(抜粋)