三菱自:不正発表後は国内受注半減-投資計画は変えるつもりない

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三菱自動車は27日、燃費試験の不正発表後、国内受注が半減していることを明らかにした。不正対象の軽自動車以外への影響などを把握できていない現状では、今後の業績を見通せないとしながらも、投資計画は変更せず、自動車事業からの撤退も考えていないとした。

  相川哲郎社長は同日の決算会見で、国内では不正発表の前と後で1日当たりの受注が半減していると述べた。田畑豊常務は、軽自動車だけでなく、全車種への影響が見通せないとし、今期(2017年3月期)業績の見通しは立っていないと語った。決算発表では、今期業績予想を未定とした。

  三菱自は燃費不正の対象となった軽自動車について、発表した20日から生産・販売を停止。現在は他に対象車があるのかや、不正の原因などについて調査している。軽自動車を供給していた日産自動車や購買者への補償、エコカー減税で過剰分を政府へ返還するなどの費用発生が見込まれている。相川社長は、工場が停止している間のサプライヤーへの補償は購買部門が訪問してヒアリングしている段階と述べた。

  アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは、決算発表前の取材に対し、今期予想ができるような状態ではないと指摘。どの車種に影響したか、購買者へどれだけ補償するかなど根本的なところが分かっていないと話した。第三者委員会の結論が出るまでの3カ月は、水島製作所の稼働もほぼなくなるため固定費などの負担も生じるという。

  相川社長は、現時点では自動車事業や軽自動車事業からの撤退は考えていないと述べた。投資計画についても必要な投資は進めていく予定とした。田畑氏は、来年4月に生産開始予定のインドネシア工場は計画通り進めていると語った。益子修会長が一連の問題の緊急タスクチームのリーダーとして情報収集にあたっているという。

  不正問題の財務への影響に関して田畑氏は、予測が難しいとしながらも、自己資本比率や現預金など財務体質は強いとし、影響度合いに応じて必要な対応を考えていくと話した。金融機関には現状を説明し、場合によっては必要な調達を要請する予定と伝えているが、必要かどうかは見通せていないと語った。

世界販売台数で国内10分の1

  27日の決算資料によると、前期の純利益は前の期比25%減の891億円となり、法人税などの支払い増が響いた。ブルームバーグが集計したアナリスト14人の前期純利益の予想平均は988億円。貸借対照表によると、3月末の現金・預金は4534億円。自己資本比率は48%となっている。前期の小売り世界販売は同4%減の104万8000台、うち日本が同11%減の10万2000台(うち軽自動車5万9000台)だった。

  三菱自は26日、燃費試験で1991年から国内法の定めと異なる方式で測定していたと明らかにした。国内では「惰行法」が指定されていたが、三菱自は「高速惰行法」で計測してきた。また、燃費試験データを良く見せるため意図的に操作する不正もあった。不正問題の全貌は未解明で、対象車種や台数などは不明としている。

  国土交通省は不正問題について、三菱自が26日に報告書を提出したものの、内容が不十分として5月11日までに再提出を命じた。米国では三菱自の販売車両が規制に違反していないかどうか、米環境保護局(EPA)とカリフォルニア州大気資源局(CARB)が調査を開始した。

(アナリストコメントを追加し、記事前半の構成を書き換えました.)
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