野村HD:海外不振続きリストラ迫られる-四半期で4年半ぶり赤字

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  • 「損益分岐点は大幅低下、海外黒字化に布石打てた」-尾崎COO
  • 海外部門は6年連続の赤字、欧州株の調査・引き受けなどから撤退

野村ホールディングスが4年半ぶりに四半期決算で赤字を計上し、不振が続く海外事業の再構築(リストラ)を迫られた。欧州では株式調査や引き受けなど主要業務から撤退、米国でも業務の選択と集中を進める。コストを削減して海外部門で今期7年ぶりの黒字化を目指す。

  尾崎哲COOは同日の説明会で「損益分岐点の大幅引き下げにより、海外黒字化に布石を打てた」と述べた。その上で「現在の危機意識は非常に高く、今期海外は黒字にする」と言い切った。

  野村HDが27日発表した1-3月(第4四半期)連結純損益は、192億円の赤字(前年同期は820億円の黒字)だった。四半期ベースの赤字は2011年7-9月期以来。原油安や円高を背景とした市場混乱の中、国内部門の低調に加え、欧州を中心に海外部門の不振も続いたためで、追加リストラで収益体質の改善を図る。

  野村は今後、欧州ではアジア太平洋の顧客向けなどを除き主要な業務を取りやめる。米州でも株式調査や引き受けは得意とする産業に特化していく方針を示した。これまでの取材によれば、欧米での人員削減は1000人規模に上る可能性があり、コスト削減効果は6億-7億ドルが見込まれる。

  同社は27日、3500万株(200億円、発行済み株式の0.9%)を上限とする自社株買いを発表した。期間は5月18日から7月22日。永井浩二CEOは2月のインタビューで自社株買いについて、同社の株価水準が低い中、「やるのなら、安いときにやった方がいいだろう」などと述べていた。年初来でTOPIXは13%下落。野村株は29%安となっている。

海外赤字6年連続

  第4四半期の収益は委託・投信募集手数料が前年同期比で3割減少、トレーディング損益は5割以上も減った。こうした中、人員削減に伴う退職関連費用として野村は約160億円を計上した。昨年12月末時点の人員は欧州が3433人、米州は2501人。

  同四半期の海外拠点の税引き前損益は、欧州の不振などで166億円の赤字だった。年間の海外損失額は796億円と6年連続の赤字。こうした海外の不振も響き、16年3月期1年間の連結純利益は1316億円と前年同期比42%の大幅減益となった。

  米ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーも1月ー3月(第1四半期)の純利益が減少、コスト削減に取り組んでいる。

  ブルームバーグのデータによると、野村HDは2015年度の企業の合併・買収(M&A)助言ランキングでグローバルで25位と、前年度の23位から後退した。株式関連引き受けはグローバルで11位と、前年度の13位から順位を上げた。

(第5段落に最新の株価動向などを追加しました.)
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