スティグリッツ教授:現在の金融政策は的外れ、貧富の差を拡大

  • 重要な問題は中小企業への資金確保、資産バブルで最富裕層のみ恩恵
  • マイナス金利は危険性がある上、企業融資確保に対して「機能せず」

米コロンビア大学教授でノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏は、金融政策が貧富の差を拡大していると指摘し、実体経済への資金供給と中小企業支援に絞った政策に転換する必要があると呼び掛けた。

  スティグリッツ教授はニューヨークでブルームバーグのテレビインタビューに応じ、量的緩和などの政策は、結果的に生じる資産価格の上昇で富裕層が資産を膨らませ、その富の一部が個人の所得や消費に滴り落ちるという「トリクルダウン理論」に基づく手法だが、実際に恩恵を受けるのは社会の最富裕層に限られると主張した。

Nobel-prize winner Joseph Stiglitz.

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  「重要な問題は中小企業の資金アクセスであり、実体経済への資金の流れを確保することだ」と述べた上で、「株式を多数保有しているなら株式バブルは素晴らしい。だが米国社会の下層にいる80%の人々はごく少数の株式しか持っておらず、株価上昇の恩恵はわずかしか感じることができない。人口の1%が株式市場の圧倒的多数を所有しているというのが現実だ」と語った。

  教授はマイナス金利にも批判的で、貸し出しに影響を及ぼす恐れがあることなどを理由に挙げた。

  「マイナス金利をまずまずうまく管理できている国もあれば、そうでない国もあるが、マイナスの危険性は例外的に上手に管理できない場合、銀行システムを弱体化させることにある」と発言。「銀行システムが弱まれば、銀行は融資を減らす。マイナス金利は金融市場に一定の効果があるかもしれないが、企業への融資確保という実際に懸念すべき問題に関して、マイナス金利は機能していない」と断言した。

原題:Stiglitz Says Misdirected Monetary Policies Increased Inequality(抜粋)