野村HD:海外拠点でのコスト削減、7億ドル規模-今期黒字転換へ

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野村ホールディングスが4月に着手した海外での大規模な人員削減で、6億ドルから7億ドルのコスト削減効果を見込んでいることが、複数の関係者への取材で明らかになった。赤字が続いている海外拠点で今期(2017年3月期)は黒字転換を狙う。

  野村はコストを削減する一方、収益向上のため米国や欧州での企業の合併・買収(M&A)助言や、買収の際の為替ヘッジ取引などのソリューション業務を強化する方針。また日本企業関連のクロスボーダーでの買収アドバイザリーやグローバル市場での引き受け業務を拡充する考えだ。

  野村の永井浩二CEOは2月のブルームバーグとのインタビューで、海外事業の黒字化の時期について「暴風雨」の中、見通すことはできないと述べていた。同社が前回、アジア、欧州、米州の海外地域で黒字を計上したのは2010年で、今期黒字化が実現すれば7年ぶりとなる。

  同社はヨーロッパでは欧州株のリサーチやリサーチ営業、デリバティブ、引き受け業務と中核ビジネスを閉鎖し、アメリカでは米国株の企業調査と投資銀行業務の縮小に動いている。人員削減は欧米で1000人規模になる可能性があることがこれまでに分かっている。

  野村HDの山下兼史広報担当は黒字化の計画やリストラによるコスト削減効果についてコメントを控えた。

野村の海外ビジネス戦略

  野村は前期(16年3月期)、海外では税引き前損益で赤字を計上したもようだ。これまでの9カ月間では630億円の赤字となっている。同社は27日、前期決算と欧州と米州ビジネス戦略の詳細を発表する予定だ。

  ブルームバーグがアナリストの予想を集計したところ、前期の連結純損益は年間で1741億円の黒字。過去4年間で最も低い利益水準となる。第4四半期(1-3月)は一部のアナリストは赤字を見込んでいる。27日付の日本経済新聞は100億円規模の赤字になったもようだと報じた。

  米ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーも、1月ー3月(第1四半期)の純利益が減少、コスト削減に取り組んでいる。

  野村の12月末時点の人員は欧州が3433人、米州は2501人。市場環境の急激な変化などから欧米事業をいったん縮小するが、グローバル市場で業務展開していく方針は変えず、今後は日本を含むアジア地域に注力、欧米でも高収益の見込めるビジネスを強化していく。

英文記事: Nomura Said to See Up to $700 Million Annual Savings on Cuts (2)

(第8段落に米金融機関の業績について追加しました.)
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