東芝:前期純損失4700億円見込み、原子力事業で減損処理

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  • 減損処理額は2600億円、資金調達コストが上昇
  • 医療機器子会社の売却益3800億円計上により従来予想から改善

経営再建中の東芝は26日、前期(2016年3月期)の純損益が4700億円の赤字となった見込みだと発表した。医療機器子会社の売却益があったが、原子力事業ののれん代で減損損失を計上した。

  2月時点では前期純損失を7100億円と見込んでいた。26日の発表によると、営業損失を4300億円から6900億円に下方修正。格付け低下に伴う資金調達コストの上昇により、原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)など原子力事業ののれん代を約2600億円減損処理し、700億円とした。一方、医療機器子会社、東芝メディカルシステムズの売却益を3800億円計上したため、株主資本比率は2.6%から5.5%に上昇した。

  昨年に不正会計問題が明らかになった影響で、東芝の財務状況は急速に悪化。ストレージ事業やエネルギー事業、社会インフラ事業に注力する方針を示す一方、家電事業の東芝ライフスタイルを中国の美的集団に売却するなど構造改革を進めてきた。今回の会計処理により、懸念されていた原子力事業の減損問題にも区切りを付けた。

  東芝の室町正志社長は26日の記者会見で、「財務基盤が安定したとは思っていない。資本政策も含めて検討が必要」だと述べ、「資産売却も課題」だとした。富士通やソニーから独立したVAIO(長野県安曇野市)と協議していたパソコン事業の再編については「いったん白紙の状態」だとした上で「さまざまな選択肢を検討する」と話した。社長人事については、5月12日の決算発表までに報告すると述べた。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、「半導体も原子力も収益が安定しておらず、事業上のリスクは残っている」と指摘。東芝は過小資本に陥っている可能性があり、「今後は自己資本をどうやって充実させるかが課題」と述べた。

  東芝株は一時、前日比2.4%安の240.2円まで売られた後、同1.7%安の241.9円で終了した。

(第4段落に室町社長発言を追加しました.)
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