円が上昇、株安受け対ドル110円台後半-日米金融政策会合控え警戒感

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  • 午後の取引終盤に一時110円73銭と2営業日ぶりの水準まで円高進む
  • 日銀何もせず、米当局も利上げの話しないと107円方向も-SBI証

26日の東京外国為替市場では円が上昇。日米の金融政策会合を前に警戒感が広がる中、株安を背景にリスク回避に伴う円買いが優勢となった。

  ドル・円相場は朝方の1ドル=111円台前半から午後の取引終盤には一時110円73銭と2営業日ぶりの水準まで円買いが進行。午後4時18分現在は110円78銭前後となっている。ユーロ・円相場は1ユーロ=125円台を割り込み、124円70銭まで円高が進んだ。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台後半で小動き。

  SBI証券債券部部長の相馬勉氏は、ドル・円相場について「米国も利上げという話が出てきそうで出てこないし、どちらにも動けないというところが本音だとは思うが、一回110円レベルに戻しているので底割れという感じではない」と指摘。ただ、日本銀行が何もせず、米金融当局も利上げの話をしないということになれば、もう一度107円台方向に戻す可能性はあるとも語った。

  本田悦朗内閣官房参与は電話インタビューで、27、28日開催の日銀金融政策決定会合で追加緩和もあり得るとする一方、今週は動かずにマイナス金利の効果を見極める可能性もあると述べた。元日銀審議委員の中原伸之氏は、今は動く必要がなく、見守った方が良いと話した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、前週末の観測報道を受けて、前倒しで追加緩和に対する期待が盛り上がっているが、株式市場では政策総動員期待が強い一方、債券市場は日銀の強烈な爆買いで金利が下がり過ぎているため半信半疑の見方と、「市場ごとに三者三様の織り込み」になっていると指摘。「為替市場は、是々非々という見方。政策総動員なら円売りで反応。ゼロ回答や失望的な緩和内容なら、ドル安・円高で反応という感じ」と語った。

  26日の東京株式相場は続落。日経平均株価は一時200円超下げる場面が見られた。

  一方、米国では26日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。米金利先物市場動向によると、今週利上げが実施される確率はゼロ。今回は終了後のイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長による記者会見が予定されておらず、経済分析・見通しと想定される次の措置を伝える手段は短い声明に限られる。

  ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は、FOMCは前回3月会合でかなりハト派化したが、最近出てきている米指標も弱いし、1-3月の国内総生産(GDP)もあまり強くなさそうであることから、「若干ハト派的なスタンスが維持されるのではないか」と予想。また、6月の利上げを完全に閉ざすような内容にはならないが、強く織り込ませるようなメッセージも出てこないとし、「マーケットインプリケーションはそれほど大きくはなりづらい」と語った。

  年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の高橋則広理事長は、海外投資の為替変動リスクを回避するための取引に前向きな姿勢を示した。26日付の日本経済新聞がインタビューを報じた。高橋理事長はこの日午後のブルームバーグのインタビューで、為替ヘッジはすでに始めていると述べた。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの山田修輔チーフFXストラテジストは「一般的にはヘッジ戦略ということで、円が割安になれば買うし、割高になれば売るということが想定され、超長期的に為替市場のボラティリティ軽減要因にはなり得る」と指摘。一方、「足元の市場ということでは、ヘッジしていない状況からヘッジをしていくという話のため、方向性としては円高方向へのインプリケーションになり得る」と話した。

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