日本株は続落、過度な日銀期待と割安感後退-金融や海運、鉄鋼安い

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26日の東京株式相場は続落。日本銀行の金融政策決定会合を週後半に控え、過度な期待の反動で銀行や保険、証券など金融株の下げが目立った。直近の上昇が大きかった海運や鉄鋼株も安く、今期も連続減益計画の日立国際電気など決算失望銘柄も売られた。

  TOPIXの終値は前日比10.14ポイント(0.7%)安の1391.69、日経平均株価は86円2銭(0.5%)安の1万7353円28銭。

  三菱UFJ国際投信の向吉善秀シニアエコノミストは、「株価に割安感がある間は政策期待から上値余地があるとみていたが、緩和期待でPERが一気に最近の平均まで上がってきた」と指摘。期待が裏切られたときの為替・株価の反動も恐く、「ここからの上値は追加緩和や経済対策の内容、決算見通しなどを見極めてからではないと、強気を言えない」と話した。

  この日の日本株は、原油安や円安一服、欧米株軟調と海外発で新たな手掛かり材料に乏しい中、前週急伸した反動売りが続き、取引開始から売りが先行。先週の上げが目立った海外景気敏感業種に加え、過度な政策期待が剥落する格好で金融、不動産株なども下げた。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「日本株は利益確定売りが出せる水準になり、日米金融政策で想定外のことが起きたときにダメージを軽くするため、ポジションを軽くしておこうという動きが出やすい」としている。

  米国では26、27日に連邦公開市場委員会(FOMC)、国内では27、28日に日本銀行が金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがエコノミスト41人を対象に実施した調査によると、日銀が今回の会合で追加緩和を行うとの予想は23人(56%)。一方、本田悦朗内閣官房参与はブルームバーグの電話取材で、今週の会合で追加緩和もあり得るとした半面、日銀は今週は動かず、マイナス金利の効果を見極める可能性もあるとの認識を示した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも25日、本田参与が今週行動に出るとは限らないと述べた、と伝えた。

  松野氏は、FOMCについて「6月利上げに向け何らかのアクションが出れば、ドル高要因となり、日本株にとって悪い話ではない。ただ、米国株の調整次第ではその悪影響の方が大きくなる可能性もある」とみている。

  また、国内では今週から主要企業の決算発表が始まり、日本取引所グループによると、25日は20社、26日は29社、27日は111社、28日は217社、5月13日の743社が1日当たりのピークだ。既に発表した企業では株価反応で明暗が分かれ、2017年3月期の営業利益計画が市場予想に届かなかった日立国際電、17年3月期営業利益計画が前期比2桁減のメルコホールディングスが東証1部の下落率上位。前期営業利益の上振れと増配を発表した大王製紙は午後に急伸した。

  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「円高に伴って下方修正が目立ってきた」とし、日経平均のPERは16倍に近く、「1株利益が低下していくことを考えると、バリュエーション面から判断して今の株価水準はかなり割高」と言う。日経平均の予想PERは25日時点で15.89倍、22日には15.99倍と過去半年で最高水準にある。

  もっとも、日経平均は午後早々に一時238円安まで下げたが、大引けにかけては下げ渋り。「日本の実体経済が厳しいため、日銀は今回見送っても7月までには動くだろうという見方は根強い。政策期待が下支えし、崩れても一時的」と三菱UFJ投信の向吉氏は予想した。

  東証1部33業種は海運や鉄鋼、銀行、保険、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、不動産、鉱業、卸売、輸送用機器など26業種が下落。保険には、日本損害保険協会が25日に公表した熊本地震に係る地震保険の事故受付件数は、21日現在で6万8913件との材料があった。パルプ・紙や水産・農林、食料品、石油・石炭製品、医薬品など7業種は上昇。東証1部の売買高は22億2042万株、売買代金は2兆804億円。値上がり銘柄数は417、値下がりは1424。

  売買代金上位では、17年3月期の連結純利益が8000億円前後にとどまる見通し、と共同通信が25日夜に報じた三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめ、メガバンク3行がそろって安い。三菱自動車は乱高下の末に大幅続落、三菱重工業や第一生命保険、JFEホールディングス、商船三井も下げた。半面、今期増益計画に安心感があると評価された日本電産は買われ、日立化成、日本製鋼所も高い。

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