米国債:インフレ期待が年初来の高水準、金利維持観測は変わらず

更新日時
  • 4月の利上げ確率はゼロ、年内は64%-金利先物市場が示唆
  • ブラックロック:米金融当局は「外的要因」を懸念

25日の米国債市場ではインフレ期待を示す指標が年初来の高水準を付けたが、連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の会合で政策金利を維持するとの見通しは変わっていない。

  金利先物市場はFOMCが26-27日の会合で政策金利を据え置くと示唆している。FOMCは前回3月の会合で年内の利上げ見通しを年4回から2回に変更したが、今回はそのスタンスを維持するか弱めるかを検討することになりそうだ。金融当局者は世界の弱い成長を指摘する一方、インフレ動向を注視する姿勢も示している。

  原油相場の3週間におよぶ上昇局面を背景に、債券市場のインフレ期待を示す指標は9カ月ぶり水準に上昇した。通常の5年債とインフレ連動国債(TIPS)5年物の利回り差は一時1.58%に拡大。FOMCの物価目標である2%には達していないが、昨年7月以来の高水準となった。インフレ期待上昇の背景には、原油相場が2月に記録した12年ぶり安値から65%上昇していることがある。

  FTNファイナンシャルの金利戦略責任者、ジム・ボーゲル氏は「原油相場の一段安を恐れて、インフレ期待は低くなり過ぎていた。現在、インフレ期待は上昇し、均衡水準を見つける必要がある」と指摘した。
  
  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.92%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)の価格は7/32下落して97 14/32。

  10年債利回りはイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言があった3月29日に8bp低下。ほぼ2カ月ぶりの大幅な下げとなった。議長は世界経済の影響に加え、労働市場のたるみ(スラック)が残っていることを理由に、利上げに対する「慎重姿勢は特に正当化される」と述べた。ただ、必要に応じて政策を迅速に反転させることは可能性だとも明確に表明した。利回りは現在、議長の講演前の水準に戻っている。

  ブラックロックでファンダメンタル債券の副最高投資責任者(CIO)を務めるスコット・シール氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「議長が外的要因や外部からの影響をどれだけ憂慮しているかに、市場やわれわれは驚いた」と述べた。「そのため、多くの観点から議長の中国に関する懸念は和らいだのか、原油相場に対する懸念は緩和されたのか、あるいは米経済状況に焦点を絞るのかという疑問がある。このようなケースでは、市場よりも迅速に金融政策で行動を起こすことになるだろう」と語った。米経済については、これほどの金融緩和は「現段階ではあまり必要ではない」と指摘した。

  金利先物市場が織り込む年内の利上げ確率は64%と、1週間前の49%から上昇している。4月の利上げ確率はゼロ。

  FTNのボーゲル氏は「今の段階で金利を引き上げるのは、当局が利上げで目指すものを台無しにする可能性がある」と指摘。「正常化という考えは経済が通常の金利水準に耐え得るということだ。まだそのような根拠はない」と述べた。同氏は7月あるいは9月まで利上げは先送りされると予想している。

  米財務省が実施した2年債入札(発行額260億ドル)の結果によると、最高落札利回りは0.842%となった。前回3月28日の入札では0.877%だった。財務省は26日に5年債(規模340億ドル)、28日に7年債と2年物変動利付債の入札を予定している。FOMCの結果が発表される27日には入札の予定はない。

  ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキー氏は米国債の利回りが他の先進国と比べて高いため、「買い意欲は強く、入札は好調になるだろう」と予想した。

原題:Bond Market Ramps Up Inflation View While Fed Seen Staying Put(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
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