「異常な低金利」固定化へ、超長期社債の発行需要増加-三菱モルガン

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  • 年限10年以上の社債発行額が年初来で前年同期比3倍弱
  • 三菱モルガン:企業トップが長期債発行を希望する傾向がある

日本銀行によるマイナス金利政策で社債金利の低下が一段と長い年限にも及ぶ中、超長期債の発行に関心を持つ企業が増えていると、三菱UFJモルガン・スタンレー証券はみている。

  ブルームバーグのデータによると、社債金利の基準となる国債の利回りは年限13年程度までマイナスとなっており、40年債も先週過去最低を更新。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、日本企業の社債利回り平均は2月9日に過去最低の0.12%を記録した。

  2015年度の日本企業の社債発行額は、資金需要の低迷や銀行融資との競合を背景に9年ぶりの低水準だったが、今年は1月のマイナス金利政策を受けて発行額が「昨年より増える感じがある」と、同証券の諏訪一デット・キャピタル・マーケット部長はみる。年初来で年限10年以上の社債発行額は前年の3倍弱となり、超長期債の発行が目立つ。
  
  これまでは事業上の資金ニーズに合わせた年限の社債を発行する企業が多かったが、同氏は「20年、30年、40年の社債が異常な低金利になってきている。少しがんばって長い物を押さえていこうという動きはある」と話す。これまで長期債を発行していなかった企業の間でも、「トップダウンで長期債の発行を考えなさいという話が出ている」と指摘する。

  ブルームバーグの集計データによると、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は15年度の日本の社債引き受けランキングで首位だった。

投資家ニーズ

  社債市場では今年に入り、味の素が2月に同社としては初の20年債を発行したのに続き、JR西日本が2月に40年債、4月に30年債を発行。三井不動産も3、4月と連続で30年債を起債している。

  みずほ証券の金子良介クレジットアナリストは、長期債の発行増加について「マイナス金利導入は注目されているので、発行体がどうやってそれを自社の戦略に使えるのかを考えるのは自然だ」と指摘する。

  一方、投資家サイドから見ると、マイナス金利下で利回りの残る社債は投資妙味があり、三菱UFJモルガンの諏訪氏は、「短い物とすごく長い物」に需要が集まっていると語った。同氏によると、同証券が共同主幹事を務めたトヨタファイナンスの3年債は利率0.02%の低金利だったが、発行額200億円に対して「8倍のニーズがあった」という。

  みずほ証の金子氏は、超長期債について「何十年も先の信用リスクは普通分からない。分からないリスクに対して投資するので、その分プレミアムが乗ってくる」と話した。

(第7、9段落を追加して更新しました.)
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