トヨタ、コア技術はハイブリッド-逆風の中国で20年販売の3割へ

  • HV現地開発で培った技術でPHV投入も、苦戦予想も意気込み示す
  • 現地部品調達などで幅広い展開への仕組みづくり

トヨタ自動車は中国市場でハイブリッドを環境対応のコア技術と位置付け、幅広い車種で展開を図る。ハイブリッド車(HV)は中国政府が購入を補助する環境対応車の対象となっていない。

  トヨタの大西弘致・中国本部長は24日、北京市で記者団に対し、2020年に現地販売の3割程度をHVにする見通しを示した。現地開発のハイブリッドシステム搭載の「カローラ」と「レビン」の販売を増やして市民権を得ると同時に、他車種への展開を進める。

  中国政府は排ガス規制を目的に電気自動車(EV)などの新エネルギー車を手厚く補助しているが、HVはこの対象から外れている。

  調査会社フォーインの周錦程・中国調査部長は「カローラHVは儲からない状態で販売していたと聞くが、環境車普及を進める大事な一歩で前進をしている」と述べた上で、今後は開発したハイブリッドシステムを生かすことでスケールメリットを得られる見通しを示した。

  トヨタが現地開発して15年に発売したHVは累計販売4万台と当初想定を上回っている。広州と天津の2つの地方都市では、HV購入者の新規ナンバープレートを取得しやすくするなど優遇策を取り始めた。

HV技術を生かす

  トヨタは24日、現地開発で培ったハイブリッド技術を生かし、18年にプラグインハイブリッド車(PHV)2車種を投入すると発表した。カローラとレビンのHVにそれぞれ現地開発のプラグインハイブリッドシステムを搭載する。

  PHVは政府補助金の対象となるため、18年ごろには自動車各社が新規投入するとみられている。大西氏は競争激化が予想される中、「コストを含めて当社は苦戦が予想される」と述べる一方、PHV発売は「トヨタの中国市場に向けた意気込みの表れ」と語った。

HV現地開発で培ったもの

  トヨタの現地研究開発センター(TMEC)の松本真一副総経理は、カローラ、レビンの現地開発に取り組んできたことで、PHVを含めた今後の幅広い展開に向けた仕組みづくりが進んだと述べた。

  HV部品の現地調達に向け、地元部品メーカーを1社1社訪ねて品質や価格交渉を重ねており、現在は現地調達率が5割を超えている。サプライヤーの品質レベルは毎年上がってきており、当初は採用が難しかった部品メーカーもPHV向け部品調達で新たに検討できる環境にあるという。

  現地ユーザーの嗜好を取り入れた車づくりも経験済みだ。交通事情の違いから、きびきびした運転を好む傾向にあるため、アクセルやブレーキの反応を良くした。HVの電気モーターを利用して短時間で出力を上げることで、松本氏は「思った通りの加速」をしやすい仕様にしたという。また、モーター音に敏感と言われる現地ユーザーを意識し、室内音を極力抑えた。TMECの若手エンジニアが試乗を重ねてチューニングした結果、好調な販売を維持している。

  松本氏は、HVが受け入れられつつあるのは「実際に乗ってみて期待以上に燃費がいい」といった体験が市場で理解されつつあるのではないかと述べ、今後は普及に従い認知度がさらに高まることに期待感を示した。

  トヨタの中国販売は尖閣諸島問題による反日不買運動を受けて減少したが、13年からは前年比プラスに転じている。15年の中国販売は前年比9%増の112万台で、16年は115万台を目指す。

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