日本のステルス実証機初飛行、「戦闘機や産業技術開発に弾み」

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  • ステルス機の開発・製造で米ロ中に次ぎ、4カ国目を目指す
  • 機体製造を三菱重、エンジンはIHIが手掛けている

X-2 stealth jet.

Source: Japan Air Self-Defense Force
Source: Japan Air Self-Defense Force

防衛省が開発中のレーダー探知されにくいステルス機能を持つ先進技術実証機「X-2」の初めての試験飛行が22日に実施された。ステルス機能のある戦闘機の開発・製造は米国、ロシア、中国だけが成功しているが、日本も4カ国目を目指し本格参入する。

  防衛装備庁の将来戦闘機プログラム・マネジャーの土井博史・防衛技官によると、実証機は午前8時48分に名古屋空港を離陸、9時13分に岐阜基地に着陸した。同防衛技官は「初飛行は無事終了した。今後はデータを解析し、開発を続ける」と述べ、将来の戦闘機開発への活用や産業技術開発の弾みになる、としている。

  2月から自衛隊の小牧基地で共有している名古屋空港の滑走路で地上滑走試験を開始し、滑走やブレーキなどの地上試験をしてきたが、4月に入り脱出用装置の部品の不具合などがあり交換作業や天候不順などで初飛行は延期となっていた。

  実証機の開発・製造費は約393億円で、1人乗り用の1機のみの製作。開発は2009年度に始まり、機体製造を三菱重工業、エンジンをIHIが手掛けている。X-2は実験機であり、昨年11月に初飛行した国産初の民間ジェット旅客機「MRJ」と違い、型式証明を取得しない。防衛省は正式に受領後、岐阜基地でさまざまな実験に取り組む方針だ。

  防衛省の資料によると、「ステルス機がどのようにレーダーに映るのかといった実データが存在していない」と指摘し、実際の飛行実験により、「近い将来、わが国周辺に配備される可能性があるステルス戦闘機に対する防空態勢の検討に役立つ」としている。高性能な戦闘機を国産技術で開発・蓄積することは、防衛・産業面でそれぞれ必要との認識から開発を進めている。

  開発目的について、土井防衛技官は昨年末のインタビューで「将来の戦闘機開発に備えた準備の一環だ。ステルス性能と高運動性能を両立させた統合技術を獲得、蓄積するための実験機」と説明していた。

  土井氏によると、X-2の特徴は推進力5トンの国産エンジンを2基搭載し、最もレーダーが当たる機体の先端に軽量化を目的とした日本製ステルス素材の炭素繊維複合材を使用している。防衛装備庁が開発を委託している三菱重では、さまざまな試験の後、防衛省に納入する予定。当初の納入は昨年3月末の予定だった。
 
  日本は1970年代半ば、エンジンを除き、機体が国産の戦闘機として「F-1」を開発。継機のF-2は米国との共同開発で、「F-16」をベースに完成した。自衛隊に現在配備されている戦闘機はF-2のほか、米国製で三菱重工がライセンス生産した「F-15」と「F-4」の3機種。いずれもステルス性能はない。米国がステルス戦闘機の一つとして開発・製造中の「F-35」は、日本が次期主力戦闘機に選定し、42機を2017年度から順次取得すると決めている。
  
関連ティッカー:
5711 JP (Mitsubishi Materials Corp)
7011 JP (Mitsubishi Heavy Industries Ltd)
7013 JP (IHI Corp)

(第2段落を追加し、更新しました.)
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