4月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが荒い動き-ECB総裁は政策への辛抱呼び掛け

21日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが荒い動きとなって いる。欧州中央銀行(ECB)の政策発表とドラギ総裁の記者会見は、 今年に入り3回連続でユーロの乱高下を引き起こした。

ユーロは一時急伸。トレーダーらがECBの政策決定会合後に開か れたドラギ総裁会見での発言のトーンを見極めるにつれ、ユーロは上げ を消した。ドラギ総裁は政策金利について、現行またはそれ以下の水準 が長期にわたり続くと言明。また政策への批判に対し、効果が表れるに は時間が必要だと指摘した。

シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上 級為替トレーダー、ミン・トラン氏は電子メールで、「直後の反射的な 反応は、追加の刺激策がなかったことから見られたものだ。追加策がな いのはユーロにはプラスになる」とした上で、「ただ、ドラギ総裁のト ーンは情勢の好転はまだずっと先になることを示唆している可能性があ り、ユーロは上げを消した」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルでほぼ変わらずの 1ユーロ=1.1288ドル。対円では4日ぶりに下落、0.4%安の1ユーロ =123円55銭となった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルーム バーグ・ドル・スポット指数は0.3%高。一時0.4%下げる場面もあっ た。

ECBが政策の据え置きを発表した後ユーロはいったん上昇。ドラ ギ総裁の記者会見中には一時0.9%高となり、日中高値となる1.1398ド ルを付けた。ただその後は上げを消し、一時0.2%安となる場面もあっ た。

ユーロ変動の度合いは3月会合時の方が大きかった。当時はECB の政策発表後にユーロが対ドルで一時1.6%下落。その後反転し、一時 2%高まで上昇した後に伸び悩み、終値では1.6%高だった。1月の会 合時は政策発表後にユーロは対ドルで一時1%安となった後に下げを埋 め、ほぼ変わらずで終えた。

今月はこの先ECBからも米金融当局からも、政策面での大きなサ プライズはほとんどないとの観測が広がる中、ユーロ・ドルの1カ月物 インプライドボラティリティ(IV、予想変動率)は7.7%に低下 し、2014年12月以来の低水準となった。

トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコー ミック氏は電子メールで「ユーロにとっての大きな問題は、ECBが何 も新しい情報を示さなかったことだ」とし、「安定した動きで、かなり 抑えられたレンジ内での推移が続きそうだ」と続けた。

ユーロは3月10日のECB会合以降に2.6%上昇している。3月会 合では主要政策金利であるリファイナンスオペの最低応札金利と中銀預 金金利をともに引き下げ、量的緩和の月間購入額を増やしたものの、ユ ーロは堅調地合いにある。このユーロの底堅さは、米金融当局が政策引 き締めで緩やかなアプローチを取るとのシグナルを発していることも影 響している。

BMOキャピタル・マーケッツの欧州為替戦略責任者スティーブ ン・ガロ氏(ロンドン在勤)は、「ユーロ・ドル相場について、今のと ころ市場にあまり強い確信はない」とし、「ドラギ総裁にとっては都合 がよい。ユーロの上昇に歯止めをかけ下値を支えるというECBがごく 最近に試みていたことを市場の力に任せられるからだ」と述べた。

原題:Euro Soars Then Retreats as Draghi Says Policy Needs More Time(抜粋)

◎米国株:反落、4カ月ぶり高値維持できず-決算が強弱まちまち

21日の米株式相場は反落。S&P500種株価指数は4カ月ぶり高値 水準を維持できず、2週間ぶりの大幅安となった。強弱まちまちとなっ た企業決算は投資家の買い意欲を高めるに至らなかった。

株式相場は2日連続で最高値に向けて上値を伸ばすのに失敗した。 決算シーズンが佳境を迎える中で、予想を上回る決算を発表した企業の 株価が上昇する一方で、失望を誘う決算も出ている。ベライゾン・コミ ュニケーションズとトラベラーズは決算が失望され大幅安。一方、バイ オジェンは5%超の値上がり。ユニオン・パシフィックは昨年11月以来 の高値に上げた。両社ともコスト削減が奏功し、利益が予想を上回っ た。

S&P500種株価指数は前日比0.5%下落の2091.48で終了。ダウ工 業株30種平均は113.75ドル(0.6%)安の17982.52ドルと、4日ぶり に18000ドル台を割り込んで引けた。

フェデレーテッド・インベスターズの運用担当者、スティーブ・キ アバローン氏は「2カ月で15%上げたため、この水準で小休止となって も意外ではない。決算が現在の注目材料であることは間違いない。金融 業界は期待値が低かったため、想定外のことが起こらず非常に良かった と言えるが、シーズン最初の試金石にすぎない」と指摘した。

S&P500種は2月の安値から14%戻している。原油相場の回復や 中国経済の減速懸念緩和、金融政策が引き続き成長を支援するとの楽観 が背景にある。同指数は最大で11%安となった年初来の下げを埋めた 後、昨年5月に付けた最高値まであと2%に迫っている。

原油相場の回復を背景にエネルギー株が過去2カ月間の反発局面を 主導している。S&P500種が4年ぶりの調整局面入りした後、昨年後 半にかけて起こった上昇局面の再現のような格好になっている。この日 は年初来で成績上位にある通信サービスと公益事業の2セクターの下げ がきつかった。

S&P500種構成企業のうち100社余りが決算を発表。構成企業全体 のアナリスト予想は9.5%の減益となっている。年初時点の予想では横 ばいだった。

損失が予想を上回った玩具のマテルは5.8%安。スマートフォン向 け半導体メーカーとして世界最大のクアルコムは0.8%下落。アップル からの受注で一部を失う可能性があることを示唆した。アップルは1% 安。一方、アンダーアーマーは6.8%高。利益が予想を上回ったほか、 通期の売上高見通しを上方修正した。利益が予想を上回ったアメリカ ン・エキスプレスは0.9%上昇した。

S&P500種のセクター別では、ベライゾンが足かせとなり通信サ ービスが2.7%安。公益事業は2.2%下げた。今月に入って過去最高値を 更新していた生活必需品は2日間で1.7%安と、昨年12月以来の大幅下 落となった。一方、この日はヘルスケア株のみが上昇した。バイオジェ ンが薬品株をけん引した。

原題:S&P 500 Loses Grip on 4-Month High as Stocks Slip Amid Earnings(抜粋)

◎米国債:下落、失業保険申請減で安全資産の買いが減退

21日の米国債は4日続落。10年債は昨年11月以来で最長の連続安と なった。朝方発表された米週間新規失業保険申請件数は前週比で減少 し、安全資産への需要が後退した。

米労働省が発表した週間新規失業保険申請件数は前週比で予想外に 減少し、継続受給者は約15年ぶりの低水準となった。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴール ドバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「過去数週間にわたりリスク資産の 力強いパフォーマンスが主要テーマになってきた。世界各国の中央銀行 当局者によるハト派的な姿勢やここ最近は原油相場がそのトレンドを加 速させている」と述べ、「原油価格が反落しても、株価は年初来の高値 水準を維持している」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.86%。同年債(表面利率1.625%、償還2026年2 月)は1/8下げて97 7/8。

財務省が21日実施した5年物インフレ連動 国債(TIPS)の入 札(発行額160億ドル)の結果によると、最高落 札利回りはマイナ ス0.195%となった。インフレ期待値を示唆する5年債と同年限 TIPSの利回り格差(ブレークイーブンレート)は3日連続で拡大 し、この日は2bp上げて1.51ポイントとなった。今年2月には0.95ポ イントと、2009年以来の低水準に縮小していた。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、ボ リス・ルジャビンスキ氏は「投資家がTIPSの持ち高を増やそうと考 える理由は、実際にインフレが加速すると見込んでいるか、インフレ予 想値の上昇を見込んでいるかのどちらかだ」と述べた。

今月14日に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)は食品と エネルギーを除くコア指数が前年同月比で2.2%上昇した。

先物トレーダーは米金融当局が年内に利上げする確率を63%織り込 んでいる。これは週初めの50%から上昇した。

原題:Treasuries Fall as Jobless Claims Drop, Oil Near Five-Month High(抜粋)

◎NY金:反落、米失業保険申請の減少で利上げを警戒

21日のニューヨーク金先物相場は反落。5週間ぶり高値から下げ た。米失業保険申請件数が前週比で減少し1973年以来の低水準を記録し たことを背景に、逃避先とされる金の妙味が低下した。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「金は良好な 経済統計にネガティブに反応した。利上げの可能性があるとの観測を再 燃させるためだ」と指摘。「良い数字は市場を怖がらせる。欧州では政 策金利が据え置かれたが、米国では利上げの可能性があることを意味す るからだ」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.3%安の1オンス=1250.30ドルで終了。一時は1272.40ドルまで上 昇する場面もあった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムは 値上がりした。

原題:Gold Tumbles From Five-Week High as U.S. Jobless Claims Decline(抜粋)

◎NY原油:反落、高い米在庫を嫌気-生産調整への期待遠のく

21日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物がほぼ5カ月ぶり高値から反落。先週の 米在庫が1930年以来の高水準に増加したことを嫌気した。17日のドーハ 会議が物別れに終わった後、産油国が生産水準の据え置きで合意すると の楽観は後退している。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の シニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「力強く上げた後とあ り、市場は一息入れているようだ」と指摘。「原油の貯蔵は莫大(ばく だい)な量の供給超過になっている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比1.00ドル(2.26%)安い1バレル=43.18ドルで終了。ロンドン ICEのブレント6月限は1.27ドル(2.8%)下げて44.53ドル。

原題:Oil Slips From 5-Month High Amid Ample U.S. Supply, OPEC Doubts(抜粋)

◎欧州株:3カ月ぶり高値から反落-ドラギ総裁の「辛抱」発言に懐疑的

21日の欧州株式相場は4日ぶりに下落。指標のストックス欧州600 指数は前日に3カ月ぶり高値を付けていた。欧州中央銀行(ECB)の ドラギ総裁はこの日、刺激策の効果が表れるのを辛抱強く待つように呼 び掛けたものの、トレーダーが懐疑的であることが示された。

ストックス600指数は前日比0.3%安の349.59で終了。一時は1.1% 安まで下げた。ECBは定例政策委員会で市場の予想通り、政策金利据 え置きを決定した。ドラギ総裁はその後の記者会見で、見通しが悪化す れば、刺激策を強化する準備があると言明。インフレ率については当面 は低いままだが、今年後半には上向くとの見方を示した。銀行株の指数 は4日続伸し、1カ月ぶり高水準に達した。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「かなり頻繁に使われる『辛抱』という言葉を市場は受け入れ てない」とし、「これまでの措置が望まれた効果につながっていないた め、市場に驚く余地はほとんど残っていない。刺激策をサポートできる のは、国内総生産(GDP)の改善だけだろう」と語った。

企業決算もこの日の相場に影響した。スウェーデンの通信機器メー カー、エリクソンは15%急落。1-3月売上高がアナリスト予想に届か なかった。フランスの酒造会社ペルノ・リカールは4.9%値下がり。中 国で売り上げが落ち込んだ。設計ソフトの仏ダッソー・システムズ は4.2%安。売上高が予想を下回った。

原題:Europe Stocks Decline From Three-Month High After Draghi Remarks(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が下落-ドラギ総裁発言で需要後退の観測強まる

21日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて下落。ドイツ10 年債利回りは4カ月ぶりの大幅上昇となった。欧州中央銀行(ECB) が金融政策を据え置いたほか、同中銀が計画している社債購入で国債需 要が後退するとの見方が強まった。

ドラギ総裁は政策発表後の記者会見で、社債購入についての詳細を 明らかにした。インフレ率は今年後半に上向くと述べ、当局者らは3月 に決定した措置の実施に注力していると語った。債券市場でドイツのイ ンフレ期待を示す指数は年初来最高に接近した。

同総裁は、ECBが量的緩和(QE)計画に基づく社債購入を6月 に開始し、保険会社やノンバンクも対象にすると説明した。ECBの声 明によれば、残存期間は最長30年で、1銘柄につき発行残高の70%が上 限となる。具体的な月間購入規模は明らかにしなかった。

サンライズ・ブローカーズ(ロンドン)のストラテジスト、ジャン ルカ・ジグリオ氏は、「現時点では月50億ユーロ前後を見込んでいる が、この日の詳細で規模が膨らむ可能性もある」と述べ、「ECBが QEから信用緩和へと移行しつつある事実は、各国政府にとって悪材料 だ。重点はもはや欧州の国債には置かれない。少なくともわずかにはそ うなる」と見方を示した。

ECBの定例政策委員会は政策金利を据え置いた。ドラギ総裁は 「ヘリコプターマネー」のような政策や国債購入計画の規模は協議しな かったと説明。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では誰も金 利変更を予想していなかった。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比9ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.24%。これは昨年12月3 日以来の大きな上げ幅。同国債(表面利率0.5%、2026年2月償還)価 格はこの日、0.845下げ102.53となった。スペイン10年債利回りは6b p上げて1.60%。

原題:German Bunds Drop as Draghi Boosts Appeal of Corporate Debt(抜粋)

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