NY外為:ユーロが荒い動き-ECB総裁は政策への辛抱呼び掛け

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21日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが荒い動きとなっている。欧州中央銀行(ECB)の政策発表とドラギ総裁の記者会見は、今年に入り3回連続でユーロの乱高下を引き起こした。

  ユーロは一時急伸。トレーダーらがECBの政策決定会合後に開かれたドラギ総裁会見での発言のトーンを見極めるにつれ、ユーロは上げを消した。ドラギ総裁は政策金利について、現行またはそれ以下の水準が長期にわたり続くと言明。また政策への批判に対し、効果が表れるには時間が必要だと指摘した。

  シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上級為替トレーダー、ミン・トラン氏は電子メールで、「直後の反射的な反応は、追加の刺激策がなかったことから見られたものだ。追加策がないのはユーロにはプラスになる」とした上で、「ただ、ドラギ総裁のトーンは情勢の好転はまだずっと先になることを示唆している可能性があり、ユーロは上げを消した」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.1288ドル。対円では4日ぶりに下落、0.4%安の1ユーロ=123円55銭となった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%高。一時0.4%下げる場面もあった。

  ECBが政策の据え置きを発表した後ユーロはいったん上昇。ドラギ総裁の記者会見中には一時0.9%高となり、日中高値となる1.1398ドルを付けた。ただその後は上げを消し、一時0.2%安となる場面もあった。

  ユーロ変動の度合いは3月会合時の方が大きかった。当時はECBの政策発表後にユーロが対ドルで一時1.6%下落。その後反転し、一時2%高まで上昇した後に伸び悩み、終値では1.6%高だった。1月の会合時は政策発表後にユーロは対ドルで一時1%安となった後に下げを埋め、ほぼ変わらずで終えた。

  今月はこの先ECBからも米金融当局からも、政策面での大きなサプライズはほとんどないとの観測が広がる中、ユーロ・ドルの1カ月物インプライドボラティリティ(IV、予想変動率)は7.7%に低下し、2014年12月以来の低水準となった。

  トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコーミック氏は電子メールで「ユーロにとっての大きな問題は、ECBが何も新しい情報を示さなかったことだ」とし、「安定した動きで、かなり抑えられたレンジ内での推移が続きそうだ」と続けた。

  ユーロは3月10日のECB会合以降に2.6%上昇している。3月会合では主要政策金利であるリファイナンスオペの最低応札金利と中銀預金金利をともに引き下げ、量的緩和の月間購入額を増やしたものの、ユーロは堅調地合いにある。このユーロの底堅さは、米金融当局が政策引き締めで緩やかなアプローチを取るとのシグナルを発していることも影響している。

  BMOキャピタル・マーケッツの欧州為替戦略責任者スティーブン・ガロ氏(ロンドン在勤)は、「ユーロ・ドル相場について、今のところ市場にあまり強い確信はない」とし、「ドラギ総裁にとっては都合がよい。ユーロの上昇に歯止めをかけ下値を支えるというECBがごく最近に試みていたことを市場の力に任せられるからだ」と述べた。

原題:Euro Soars Then Retreats as Draghi Says Policy Needs More Time(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
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