日銀、円高が2%物価目標のリスクとの見方強まる-関係者

  • 追加緩和めぐって白熱の議論の可能性-来週の金融政策決定会合
  • マイナス金利の波及効果見極めたいとの見方も根強い

日本銀行は最近の為替相場の円高進行について、2%の物価目標の早期実現にとって深刻なリスクになりかねないことから、為替相場の円高進行に対して懸念を強めていることが、関係者への取材で分かった。

  複数の関係者によると、黒田東彦総裁が2013年4月に打ち出した量的・質的金融緩和は、円安による企業収益の拡大が設備投資や賃上げにつながる前向きの循環メカニズムを作り出そうとするものだったが、円高の進行により企業の支出スタンスが慎重化したり、期待インフレが低迷するリスクに対し、日銀内で危機感が高まっている。

  黒田総裁はこのほど、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、過度の円高が続けば、実際のインフレ率だけでなく、企業景況感や事業活動、さらにインフレ期待への影響という形で物価動向にまでも影響を及ぼしかねない、と述べた。

  複数の関係者によると、日銀内では、こうした見方に呼応する形で27、28の両日開く金融政策決定会合で追加緩和を行うべきかどうか白熱した議論になる可能性がある一方で、1月に導入を決定したマイナス金利の波及効果を見極めたいという見方も根強いという。

  米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席した麻生太郎財務相は14日、ルー米財務長官と会談後、為替相場の「一方的に偏った動き」に懸念を表明し、「過度な変動や無秩序な動きは悪影響を与える」との認識を確認した、と記者団に発言した。一方のルー長官は15日の会見で、円相場の上昇に触れた上で、為替市場は秩序立っていると語っていた。

  日銀は月末の決定会合で経済・物価情勢の展望(展望リポート)もまとめる。モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミストは20日付のリポートで、「景気・物価見通しの下方修正は避けられないだろう」と指摘。それでも日銀が動かないと、「市場は日銀が『緩和しない』のではなく、緩和が限界に来たため『緩和できない』と解釈し、さらなる円高が進むリスクがある」として、同会合での追加緩和を予想する。

  

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