【インサイト】99%の皆様、「ゴールドマン・サックス銀行」へようこそ

ゴールドマン・サックス・グループの収入は過去5年間ほぼ横ばいながら緩やかに減少してきた。純利益は危機前の栄光の日々(2007年)に比べほぼ半分になっている。

  そこで、ベテランアナリストのディック・ボーブ氏は尋ねた。「大規模な対等合併をいつ考えるのですか?今やっいる事業では潮目が変わるのを待つ以外にできることがないことに気付いて、今とは全く違う新しいビジネスに参入することを、いつ考えはじめるのですか?」

  業界地図を書き換えるような合併はともかくとして、ゴールドマンは少なくとも「全く違う」事業に足を踏み入れてはいる。同社は18日、GEキャピタル・バンクからの170億ドル(約1兆8640億円)の預金とオンラインプラットホーム買い取りが完了したと発表した。この預金は「ゴールドマン・サックス銀行」という部門に預けられる。預金者はプライベートバンクの顧客になるような1%の富裕層ではなく普通の人たちだ。

  ゴールドマン・サックス銀行の名は、貯蓄預金口座を持つ他の銀行と並んで金利比較サイト、バンクレート・ドット・コムにすら載っている。ゴールドマンには預金を集める意思があるようだ。

  ゴールドマンはオンライン消費者金融サービス事業を構築するために昨年、採用に乗り出したと、関係者が述べている。この融資の原資はゴールドマン・サックス銀行の預金かもしれない。また、先月は自営業者向けの退職年金サービスを提供する新興企業のオネスト・ダラーの買収にも合意した。

  現在のトレーディング収入の落ち込みがサイクルの中の底なのか、規制と電子化という逆風の中でのビジネスモデルの構造変化なのかは、まだ分からない。どちらにせよ、事業多角化と収益安定化のためにリテールの世界に乗り出したことはゴールドマンにとって理にかなっている。ただ、ゴールドマンの名前を聞いて反発する人も多いのは避けられないので、派手な巨大合併などは目指さず、目立たないようにゆっくり進めるのがいいだろう。

原題:Chain the Pens at Goldman Sachs, the 99% Is on the Way: Gadfly(抜粋)

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