債券市場離れで株式市場にひずみ-テンプルトンのボースマ氏

  • 投資家は価格に構わず安全性を追求しバリュエーション押し上げ
  • バリュー投資スタイルは歴史的な低迷から持ち直す公算

世界の株式市場における安全志向が突如として吹き飛ぶ公算が大きい。テンプルトン・グローバル・アドバイザーズのノーマン・ボースマ最高投資責任者(CIO)はこう予想する。

  ボースマ氏によれば、債券市場から避難する投資マネーが景気動向に比較的敏感でない株式のバリュエーションを押し上げており、そのため「著しい調整」の可能性が生じている。一方で、売り込まれた銘柄を選別物色するテンプルトンのアプローチは持ち直すと見込まれ、金融株とエネルギー関連株にはチャンスがあるという。

  2008年の金融危機後の量的緩和(QE)で債券利回りが低下したことから、投資家はより高いリターンを求めて株式市場にシフトしている。債券相場は30年にわたる上昇局面の終息観測に反する動きを見せてはいるが、資産運用者らはいわゆるディフェンシブ株を積み上げ、アマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトといったテクノロジー株に投資している。安全性が高いと見込まれる株式の指標は今週、過去最高値に達した。

  ボースマ氏は先週の東京訪問時のインタビューでこうした状況について、「株式市場に参加する必要性と、変動の比較的激しい分野への恐怖心が要因だ」と分析。「顧客は低ボラティリティの運用者を積極的に探している。ボラティリティは高いリターンを追求するために受け入れるもので、高リターンを得ながらすべてのリスクを排除することは困難だ」と指摘した。

  こうした状況は株式の選別投資を一段と難しくしている。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによれば、米株式投資信託の約88%は2015年までの5年間のリターンがベンチマークを下回った。テンプルトン・グローバル・アドバイザーズの親会社フランクリン・テンプルトン・インベストメンツのファンドは2月末までの13カ月連続で資金流出となったことがモーニングスターのデータに示されている。ブルームバーグの集計データによると、ボースマ氏が運用するファンドで最大規模のテンプルトン・グロース・ファンド(運用資産136億ドル)は過去1年のリターンがマイナス7.8%だった。

原題:Templeton $38 Billion CIO Says Bond Refugees Distort Stocks (2)(抜粋)

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