日本郵政社長:マイナス金利下、運用力強化や手数料の拡大目指す

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  • 日銀の政策「あらゆる金融機関が影響受けている」-長門新社長
  • 経営自由度向上へ金融2社株の追加売却、時期は「できるだけ早く」

日本郵政の長門正貢社長はブルームバーグなど報道各社とのインタビューで、マイナス金利政策が傘下のゆうちょ銀行かんぽ生命保険の収益を圧迫する中、資金運用や手数料ビジネスを強化していく考えを明らかにした。マイナス金利の影響は「あらゆる金融機関が受けている」との認識を示した。

  長門氏は、ゆうちょ銀が日本銀行に預けている当座預金にマイナス金利0.1%が課されても「収益への影響はマネジャブルだ」と語った。その上で、政策による国債利回りの低下などで圧迫されている資金運用収益の改善には「リスク資産での運用深掘りや役務収益の拡大」などで臨む考えだ。

  マイナス金利導入を受け市場金利は2月上旬から低下を始め、長期金利の指標となる新発国債10年物などの利回りが史上初のマイナス圏まで低下。日本国債への投資が運用資産の4割を占め大きな影響を受けるゆうちょ銀では現在、外部の専門家を採用して資産構成の見直しなどを進めている。

  長門氏は保有する日本国債について、満期償還分の満額を再び投じることはないなどとして、結果的に残高は「減ることになる」との見通しを示した。国債以外の代替(オルタナティブ)投資では「すでにプライベートエクイティファンドを開始した」と述べ、海外のリートやインフラファンドなどでの運用拡大に意欲を見せた。

郵便・物流で海外買収継続へ

  長門氏は体調不良のため退任した西室泰三社長の後任として4月1日付で社長に就任。直前までゆうちょ銀社長を務めていた。手数料収益を拡大するための方策としては、ゆうちょ銀やかんぽ生命窓口で提携先の投資信託や保険商品の販売を強化していく方針という。

  民営化を進める日本郵政は、ゆうちょ銀、かんぽ生命とともに昨年11月に同時上場。長門氏は日本郵政が保有する金融2社の株式の追加売却については「経営の自由度を高める狙いからも、できるだけ早く5割をめどに売っていく」と従来の方針を繰り返した。上場後株式を売買できないロックアップ期間は5月1日で終了する。

  金融2社に比べ収益性の低い郵便・物流事業について長門氏は「売り上げを伸ばすためM&A(買収・合併)や出資、提携などを積極的に検討していく」とし、引き続き海外での買収も視野に入れていく姿勢を示した。日本郵政は昨年、豪物流大手トール・ホールディングスを約6200億円で買収した。

  22日の日本郵政グループ3社の株価終値は、日本郵政が前日比0.1%安の1550円、ゆうちょ銀が同0.3%安の1384円、かんぽ生命が同0.5%高の2656円。上場時の公開価格に対して日本郵政とかんぽ生命はそれぞれ11%、21%上回っているが、ゆうちょ銀は4.6%下回っている。

(最終段落に株価動向を追加しました.)
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