中国経済の持ち直しが金融リスクを覆い隠す-フィッチ

  • 借り入れ回復による景気浮揚、金融システムに影響も-カフーン氏
  • 政府の成長率目標と改革の同時達成は難しい-カフーン氏

世界の投資家は、中国経済が持ち直す兆しを好感しているが、フィッチ・レーティングスのアジア太平洋ソブリン責任者アンドルー・カフーン氏の評価は芳しくない。

  カフーン氏は、借り入れ回復による経済成長の押し上げは金融システムに大混乱を引き起こす恐れがあるとみている。

  同氏はニューヨークでインタビューに応じ、「与信に関しては中国が現在よりも伸びが鈍い方がわれわれにとっては心地良い。構造改革に対する中国政府のコミットメントに関し、われわれの信頼は低下しつつある」と説明した。

  カフーン氏によると、世界の株式や商品市場は、融資の伸びが中国経済の安定化に寄与している兆しを好感しているが、借り入れの急増は既に持続不可能な債務水準をさらに高める結果となっている。最終的には、景気回復を促している原動力そのものが景気を腰折れさせることになる可能性があるという。

  同氏は「これを安定化と呼べるかどうか、分からない」と語った。

  1-3月(第1四半期)の人民元建て新規融資は過去最高の4兆6000億元(約78兆円)に達し、世界金融危機が深刻化していた2009年の水準を上回った。ブルームバーグの集計データによると、昨年の企業と政府、家計部門の債務総額は国内総生産(GDP)比247%と、08年の同164%から拡大した。

  カフーン氏は、6.5%成長の政府目標の達成と、債務や過剰生産能力の削減を含む改革の実行という「両方の目的を達成することは難しい」と説明。「この1年の政策運営の紆余(うよ)曲折を考えると、どちらの目標に重きが置かれているのか、もはや確信が持てない」と話した。

原題:China’s Economic Recovery Masking Financial Risks, Fitch Says(抜粋)

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