4月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが下落-ECB総裁が追加緩和を示唆との観測で

20日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁が21日に追加緩和の可能性を示唆するとの観測 が広がった。

ユーロは主要通貨の大半に対して値下がり。対ドルでは1週間で最 大の下落率となっている。

エコノミストらは今週のECB会合での政策変更は見込んでいない ものの、別の調査では対象アナリストの60%が9月にも追加の刺激策が 実施されると予想している。

バンク・オブ・ノバスコシアのチーフ為替ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は「ユーロはやや軟化しやすい状況にある」とし、 「ドラギ総裁があす、政策面では何もしないがハト派寄りの発言で利下 げの余地を作り出す可能性があるとの見方から、投機的な売りが多少出 ている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.5%安 の1ユーロ=1.1297ドル。対円ではほぼ変わらずの1ユーロ=124円09 銭。

トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコー ミック氏は電子メールで、「ECB会合を控えてユーロには下振れリス クがあるとみている」と指摘した。

同氏はまた、「ECBは最近見られる金融状況の引き締まりを押し 戻そうと、量的緩和政策に制限がないということをあらためて市場に示 すだろう」とし、「ドラギ総裁は追加利下げの選択肢を復活させる可能 性があり、そうなればこのところのユーロの軟調さに拍車が掛かるかも しれない」と続けた。

原題:Euro Declines on Speculation Draghi Will Hint at Further Easing(抜粋)

◎米国株:小幅高、S&P500は4カ月ぶり高値水準を維持-原油上昇

20日の米株式相場は小幅高。原油相場の上昇を背景にエネルギー株 に買いが入り、S&P500種株価指数は4カ月ぶり高値水準を維持し た。一連の企業決算は市場に明確な方向性を与えるには至らなかった。

原油相場の回復を好感して株式相場は午後に上昇したが、取引終盤 に失速し、上昇の大半を失った。イラクの副石油相が5月にロシアで生 産量据え置きを目指した産油国会合が開かれると述べたことが、原油相 場の上昇につながった。ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ の1株当たり利益はアナリストの予想を上回ったが、コカ・コーラは利 益がほぼ予想通りだった。

S&P500種株価指数は前日比0.1%上昇の2102.40で終了。一時 は0.5%上昇し、昨年7月以来の高値を付けた。ダウ工業株30種平均 は42.67ドル(0.2%)高の18096.27ドルで終えた。114ドル上げる場面 もあった。ナスダック総合指数は0.2%高。

インベスコ・パワーシェアーズのシニア株式商品ストラテジスト、 ニック・カリバス氏は「相場を本格的に押し下げるような弱材料は出て おらず、発表されている決算は予想通りだ」と指摘。「相場が最高値に 迫っていることから、運用担当者の間では乗り遅れまいとする不安心理 があり、先行きはさほど悪くないとの見方につながっている。それが相 場を下支えている」と述べた。

ディスカバー・ファイナンシャルは2011年以来の大幅高。クレジッ トカード利用額の増加が寄与した。ユナイテッドヘルス・グループは続 伸。19日に医療保険制度改革法(オバマケア)に基づき個人向け保険を 販売する保険取引所について、少なくとも16州で撤退することを明らか にした。一方、コカ・コーラは昨年8月以来の大幅安。利益がほぼ予想 通りにとどまり、より強い事業好転を期待していた投資家を落胆させ た。バンク・オブ・アメリカが投資判断を引き下げたボーイング は1.6%下落。

S&P500種は2月に付けた1年10カ月ぶりの安値から15%戻し、 年初来では2.9%高となっている。原油相場の回復や中国景気の安定兆 候、金融政策が引き続き成長を支援するとの楽観が背景にある。同指数 は昨年5月に付けた最高値まであと1.3%に迫っている。

第1四半期決算は金融危機以降で最大の減益になると予想されてお り、S&P500種構成銘柄は9.5%の減益が予想されている。21日にはマ イクロソフトやゼネラル・モーターズ(GM)、グーグルの親会社アル ファベットなど同指数構成企業36社が決算を発表する。

原油相場が続伸し、S&P500種のエネルギー株指数は過去3日間 で4.3%上昇した。

原題:U.S. Stocks Climb With S&P 500 Holding 4-Month High as Oil Rises(抜粋)

◎米国債:下落、インフレ見通しが高まる-10年債利回りは1.85%

インフレ連動債を手掛ける上場投資信託(ETF)への資金流入は 年初から既に2015年通年の規模を上回っている。投資家がインフレは米 金融政策当局の目指す2%上昇に向かっているとの見方を強めているこ とが示唆された。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、4月19日時点でインフ レ連動債(TIPS)のETFに投資された資金は28億ドル。2015年は 通年で26億ドルだった。債券市場が示す今後10年間のインフレ期待は3 日続伸している。この日の原油は昨年11月以来の高値に上昇した。

2015年下半期にインフレ連動債ファンドが集めた資金はわずか6 億7100万ドル。世界経済成長の減速や商品価格の下落で、金融政策当局 によるインフレ目標達成への信頼感が後退していた。今年に入り原油価 格は回復し、米国がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念も緩和さ れた。米金融当局は金融政策への慎重なアプローチを示している。連邦 公開市場委員会(FOMC)の政策当局者は先月発表した経済予測で年 内の利上げ見通しを2度と、従来予想の4度から後退させていた。

フィデリティ・インベストメンツのグローバル資産配分部門の調査 担当ディレクター、リサ・エンスボマッティングリー氏 は4月15日付 のリポートで、「米金融政策当局は経済成長が低い水準にとどまるとの 見方を示唆しているが、表面上はある程度初期のインフレ圧力が見られ 始めている」と述べ、「私は現段階ではマイナス成長よりもインフレに 対する備えを気にしている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りはほぼ2カ月ぶりの 大幅上昇となる6bp上昇して1.85 %。同年債(表面利 率1.625%、2026年2月償還)価格は17/32下げて98 1/32。

米10年債と同年限TIPSの利回り格差(ブレークイーブンレー ト)は1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇して1.63ポ イント。今年2月には1.2ポイントに縮小していた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれ ば、インフレ連動債のリターンは年初から4.5%、米国債全体では3.5% となっている。

今週21日には160億ドル相当のTIPS入札が行われる。

3月の米消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除くコア 指数が前年同月比で2.2%上昇した。一方、米金融当局がインフレ目標 の基準としている個人消費支出(PCE)価格指数は2月に前年比で 1%上昇と、1月の1.2%上昇から鈍化している。

FOMCは3月16日に発表した声明で、「インフレ率は、これまで のエネルギ ー価格の低下もあり短期的には低い状態が続くと見込まれ るが、エネル ギー価格と輸入価格の下落による一時的な影響がなくな り、労働市場が 一段と力強さを増すのに伴い、中期的に2%に上昇し ていくと見込まれる」と述べていた。

原題:Bond Investors Boost Inflation Bets as Fidelity Urges Protection(抜粋)

◎NY金:小幅続伸、強気相場入りした銀は昨年5月以来の高値に上昇

20日のニューヨーク貴金属市場では銀先物相場が続伸し、昨年5月 以来の高値となった。銀は前日に強気相場入りした。銀連動型上場投資 信託(ETF)を通じた保有量は過去最高に近づいている。

TDセキュリティーズ(トロント)の商品戦略責任者、バート・メ レク氏は電話インタビューで、「銀は金に追いつこうとしているみたい だ」と指摘。金は3月に強気相場入りした。「銀ETFへの投資は急増 しており、それは金融のファンダメンタルズが銀上昇の土壌を養ってい ることを裏付けている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銀先物5月限は前日比 1%高の1オンス=17.135ドルで終了。一時は17.255ドルと、昨年5 月22日以来の高値をつけた。

金先物6月限は前日比0.1%未満上げて1オンス=1254.40ドル。ニ ューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも上昇し た。

原題:Silver Climbs to Highest Since May After Entering Bull Market(抜粋)

◎NY原油:続伸、5カ月ぶり高値-米生産減と産油国会合期待

20日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅続伸し、ほぼ5カ月ぶり高値。米 エネルギー情報局(EIA)の週間統計で米国の生産減少が明らかにな った。イラクのニマ副石油相はこの日、5月にロシアで生産量据え置き を目指した産油国会合が開かれるだろうと述べた。

ジョン・ハンコック(ボストン)でエネルギー株を中心にポートフ ォリオを運用するジョー・ボゾイアン氏は「石油リグ(掘削装置)の稼 働数減少が生産に大きく影響し始めている」と指摘。「生産は昨年のピ ークからすでに60万バレル落ちており、さらに減少しそうだ。需給バラ ンスの回復が始まろうとしている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日 比1.55ドル(3.77%)高い1バレル=42.63ドルで終了。終値ベースで 昨年11月25日以来の高値。5月限はこの日が最終取引。中心限月の6月 限は1.71ドル上げて44.18ドル。ロンドンICEのブレント6月限 は1.77ドル(4%)上昇の45.80ドル。

原題:Crude Rises to 5-Month High as U.S. Output Slips, Talks Planned(抜粋)

◎欧州株:3カ月ぶり高値、終盤に買い膨らむ-石油株と鉱業株が高い

20日の欧州株式相場は、指標のストックス600指数が3カ月ぶり高 値を更新。原油相場の反発を手掛かりに石油・ガス株が買われたほか、 鉱業株も値上がりし、終盤にかけて買いが膨らんだ。

フランスのトタルが石油・ガス株の上げを主導。前週の米原油生産 が減少したことが背景にある。英豪系BHPビリトンを中心に鉱業株も 買われた。同社が鉄鉱石生産見通しを下方修正したことが買い材料とな った。スイスの重電メーカー、ABBは3.8%値上がり。四半期利益が 予想を上回った。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)優先株は6.6% 高と急伸。ディーゼル排ガス不正に関連した賠償問題で、米国での訴訟 を回避できそうだとの見方を示した。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「原油価格が相場を左右する要因となっている」とし、「原油 相場のボラティリティは終わらないだろう。需給は焦点ではない。これ は権力争いであり、もはやファンダメンタルズによるものではないこと を受け入れる必要がある」と語った。

ストックス600指数は前日比0.4%高の350.75で終了。一時は0.5% 安となった。最近の上昇で同指数は1カ月にわたるレンジから上抜けし た。ただ、欧州中央銀行(ECB)の刺激策に対する楽観が薄れ、成長 を促す同行の能力への疑念が高まったことから、昨年付けた過去最高値 を15%下回る水準にとどまっている。

投資家はECBの金融政策の方向性を見極めようとしている。エコ ノミストらは、ドラギ総裁が21日のECB会合で政策金利に手を付けな いことを実質的に確実視している。直近の過去を振り返ると、株価のボ ラティリティが高まる公算は依然大きい。

原題:European Stocks Advance as Crude Reverses Loss, Miners Climb(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債、3日ぶり上昇-ECB会合控えリスク回避の動き

20日の欧州債市場でドイツ国債が3日ぶりに上昇した。欧州中央銀 行(ECB)の定例政策委員会を翌日に控え、先に公表された追加緩和 策の詳細を見極めようとする動きが広がった。

ドイツがこの日実施した10年債(32億ユーロ)の平均落札利回り は0.15%と、2015年4月以来の低水準となった。

調査によるとエコノミストらはECBがあすの会合で政策金利を据 え置くと予想している。ドラギ総裁率いるECBは前回の会合で、政策 金利を全て引き下げ、社債を資産購入プログラムの対象に含めた。

キャンター・フィッツジェラルドの債券ストラテジスト、オーウェ ン・カラン氏(ダブリン在勤)は「ドラギ総裁の記者会見が始まるまで 市場はやや落ち着いた状態が続くだろう。特に社債購入プログラムがど のように機能し、『ヘリコプターマネー』とマイナス金利に関する説明 があるまでだ」とし、「21日まで総じてリスク回避の流れで現状維持と なるだろう」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、既発のドイツ10年債利利回りは前日比 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.15%。前日まで の2営業日で4bp上げていた。同国債(表面利率0.5%、2026年2月償 還)価格はこの日、0.155上げ103.375。

フランス10年債利回りも2bp低下し0.49%。一方、ポルトガル10 年債は2bp上昇の3.14%、同年限のスペイン国債利回りはほぼ変わら ずの1.53%となった。

原題:European Bonds ‘Tread Water’ as Traders Wait for ECB’s Draghi(抜粋)

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