米国債:下落、インフレ見通しが高まる-10年債利回りは1.85%

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インフレ連動債を手掛ける上場投資信託(ETF)への資金流入は年初から既に2015年通年の規模を上回っている。投資家がインフレは米金融政策当局の目指す2%上昇に向かっているとの見方を強めていることが示唆された。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、4月19日時点でインフレ連動債(TIPS)のETFに投資された資金は28億ドル。2015年は通年で26億ドルだった。債券市場が示す今後10年間のインフレ期待は3日続伸している。この日の原油は昨年11月以来の高値に上昇した。

  2015年下半期にインフレ連動債ファンドが集めた資金はわずか6億7100万ドル。世界経済成長の減速や商品価格の下落で、金融政策当局によるインフレ目標達成への信頼感が後退していた。今年に入り原油価格は回復し、米国がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念も緩和された。米金融当局は金融政策への慎重なアプローチを示している。連邦公開市場委員会(FOMC)の政策当局者は先月発表した経済予測で年内の利上げ見通しを2度と、従来予想の4度から後退させていた。

  フィデリティ・インベストメンツのグローバル資産配分部門の調査担当ディレクター、リサ・エンスボマッティングリー氏 は4月15日付のリポートで、「米金融政策当局は経済成長が低い水準にとどまるとの見方を示唆しているが、表面上はある程度初期のインフレ圧力が見られ始めている」と述べ、「私は現段階ではマイナス成長よりもインフレに対する備えを気にしている」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りはほぼ2カ月ぶりの大幅上昇となる6bp上昇して1.85 %。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)価格は17/32下げて98 1/32。

  米10年債と同年限TIPSの利回り格差(ブレークイーブンレート)は1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇して1.63ポイント。今年2月には1.2ポイントに縮小していた。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれば、インフレ連動債のリターンは年初から4.5%、米国債全体では3.5%となっている。

  今週21日には160億ドル相当のTIPS入札が行われる。

  3月の米消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比で2.2%上昇した。一方、米金融当局がインフレ目標の基準としている個人消費支出(PCE)価格指数は2月に前年比で1%上昇と、1月の1.2%上昇から鈍化している。

  FOMCは3月16日に発表した声明で、「インフレ率は、これまでのエネルギ ー価格の低下もあり短期的には低い状態が続くと見込まれるが、エネル ギー価格と輸入価格の下落による一時的な影響がなくなり、労働市場が 一段と力強さを増すのに伴い、中期的に2%に上昇していくと見込まれる」と述べていた。  

原題:Bond Investors Boost Inflation Bets as Fidelity Urges Protection(抜粋)

(相場を更新し、第7段落以降を追加します.)
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