LINEのアジア戦略:国ごとに最適サービスを展開へ-出澤社長

  • 目先はインドネシアで最大シェア獲得が課題
  • 将来的に「スマートポータル」で全てのサービス提供へ

A Line store in Seoul.

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

スマートフォンで無料メッセージアプリを提供するLINE(ライン)が、アジアをにらんだ戦略を展開している。進出する国ごとに最適のサービスを提供するのがその基本だ。

  ラインは日本でメッセージにスタンプを貼り付けてやり取りする手法を開発し、アプリユーザーを引き付けている。インドネシアでは同窓生ネットワークが暮らしの中で重要な役割を占めているとの調査結果に基づき、同級生を探す機能を提供している。中東ではイスラム教徒向けに断食明けをお祝いするスタンプを提供、ブラジルでは人気キャラクター「ムーン」のスタンプを用意している。

  これは、東南アジアから中東地域まで市場拡大を狙うラインの出澤剛社長の戦略だ。全ての国で文化や習慣などを徹底的に調査し、そこに合ったサービス作りをしていくことで、フェイスブック・メッセンジャーやワッツアップ、バイバーなど有力ライバルたちがまだ十分に押さえていない地域で、ユーザーを拡大できる余地があるとみる。

  ラインは韓国のネット企業ネイバーの日本子会社で、年内にも上場するとの報道もある。メッセージアプリとしてはすでに日本のほかタイと台湾で最大のユーザー数を獲得している。これにインドネシアを加えた4カ国・地域でライン全体の月間アクティブユーザー(MAU)2億1500万人の67%を占める。

ラインらしいアプローチ

  出澤社長はコミュニケーションと広告とショッピングを連携させることで売り上げを拡大してきた。2012年には企業によるスポンサードスタンプを開始。企業がユーザーとのつながりを密接にするための手段として、企業キャラクターなどを使ったスタンプを無料配布するもので、企業は2週間の配信料として4000万円を支払う仕組み。メッセージのやり取りの中で企業スタンプが使われると注目度も高いという。

  「これは非常にラインらしいアプローチで、コミュニケーションと広告と感情が結び付いている」と出澤社長は話す。将来的には「スマートポータル」の下でラインが提供する全てのサービスにアクセスできるようにする計画で、出澤氏は「トップシェアを取らないとプラットホームにもゲートウェーにもなれないので、まずはその国でトップシェアを取ることが一番大事」だと述べた。

  調査会社アップアニーのダニエル・レビタス氏は「時間をかけてラインはさまざまなサービスを1つのアプリにまとめてきた」とし、「ラインはほぼ間違いなく、アジアで最も良いポジションに立っている。スタンプと絵文字、これが強みだ」と話した。

アジアから中東まで

  ラインのライバルがどう動くかも重要だ。フェイスブックはメッセージアプリを使ってどのように収益化していくのかを明らかにしていない。しかし、同社のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はこのほど、人と人とのつながりがどのように変わっていくのか、その10年計画を示した。中国のテンセント・ホ ールディングス(騰訊)はウィーチャットを海外展開しようとしている。

  ラインにとって目先の課題はインドネシアでのユーザー拡大だ。インドネシアではブラックベリー・メッセンジャーが最大のライバルだが、2億5400万人と世界4番目の人口を抱える同国ではスマホユーザーが増え続けており、アプリ事業にとって成長の余地が大きい。

  出澤社長は「いまユーザーを増やす上で一番力を入れているのがインドネシア」だとし、月間アクティブユーザーが過去2年間で3倍に増加したと述べた。その上で、それ以外のアジアから中東地域にかけてもトップシェアを取れるよう働き掛けているという。

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