第一生命:日本国債買わず、ミドルリスク分野強化-16年度運用計画

第一生命保険は2016年度の運用計画で新規資金や償還資金は日本国債には振り向けず、インフラやプロジェクトファイナンスへの投資や為替リスクをヘッジした外国債券の残高を増やす計画だ。日本銀行がマイナス金利政策を進める中、各資産クラスでミドルリスク・ミドルリターン分野への投資を強化し運用収益確保を目指す。

  20日記者説明した運用企画部の渡辺康幸運用企画室長は、日本国債について「買う予定はほとんど無い」と述べ、償還分についても「再投資しない」とし、今年度の残高は減る見通しだ。短期資金の運用については「今後も、マイナス金利で運用することは基本想定していない」という。

  一方、円建てのクレジット投資や、ヘッジ付き外債の残高は増やす計画だ。渡辺氏は「長期的にマクロ経済の環境を見渡したときにクレジットサイクルとしては成熟してきている」と分析。伝統的な株や社債などのコーポレートファイナンスから航空機ファイナンスなどの「キャッシュフローの見込めるアセットファイナンスを増やしていきたい」と話す。

  昨年度注力した国内銀行の劣後債に加えて、海外のインフラプロジェクトのデット部分に円建てや為替リスクをヘッジして投資する。ヘッジ外債については、国債だけでなく社債など債券の種類や年限を分散させ投資している。渡辺氏は「為替のヘッジコストを考慮した後の実質的な利回りでみても、相応に魅力の高い投資対象は現存している」と指摘し、さらに積み増す余地はあるとみている。

  オープン外債については「政治リスクは積極的には取りづらい」と述べ、為替水準を設けて投資をするのは厳しいという。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)、6月は英国での欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票、秋には米大統領選が控えている。渡辺氏は「水準というよりは政治的な不透明感の状況を見ながら、追加投資のタイミングを図っていきたい」との考えだ。

  資産と負債の平均残存年限(デュレーション)・ギャップについては、過去10年で段階的に縮めてきたものの、ここ数年の低金利や足元のマイナス金利の運用環境では、積極的に縮める投資は行っていないという。渡辺氏は「金利水準を見ながらコントロールしていきたい」と述べた。円建て確定利付き資産のデュレーションは14年台半ば、負債は18年。

  記者説明に同席した山本辰三郎運用企画部長によると、貸し付けの残高は昨年度同様に返済により減少する見通し。国内株式は株価水準次第で残高を機動的にコントロールする。外国株とオルタナティブ(代替投資)は増加。不動産は横ばいの計画だ。

  第一生命の16年度の相場見通しは以下の通り。

  • 国内金利(10年国債)がマイナス0.20%~0.30% (年度末マイナス0.05%)
  • 海外金利(米10年国債)は1.50%~2.50%(同2.30%)
  • 日経平均株価は1万3000円~2万円(同1万8000円)
  • 為替水準は1ドル=100円~120円(同115円)、1ユーロ=110円~140円(同126円)
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