日銀会合前にプラス金利の国債先回り買い、利回り曲線は超フラット化

  • 5月の大型連休を控えて休暇中の利息収入確保との見方
  • 今週の20年入札次第で20年債利回り0.2%割れの可能性-三菱信託銀

国債市場では金利水準がプラス圏にある残存期間の長いゾーンへの買いが膨らみ、新発20年物、30年物、40年物の各利回りが過去最低を更新した。来週末には追加緩和観測が出ている日本銀行の金融政策決定会合を控えて、運用難の投資家が先回り的な買いを入れたとの見方が出ている。

  この日の現物債市場では、日本で発行された国債で償還までの期間が最も長い新発40年債利回りが0.29%まで低下した。日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値の0.355%より6.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低く、これまでの過去最低だった0.405%から、一気に水準を切り下げた。新発30年債利回りは4.5bp低い0.285%、新発20年債利回りは3bp低い0.25%まで下げた。一方、長期金利は0.5bpの低下にとどまっている。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「需給が引き締まる中でプラス金利が付いているところに資金が集まる状況」と説明した。一方、「20年債利回りと30年債、20年債利回りと40年債とのスプレッドが5bpを下回るような水準になっているが、この状況は不思議だ」と言う。「30年債や40年債については、発行量が相対的に少ない中で、日銀の買い入れ額が増額されており、需給は引き締まっている。このため業者サイドのショートカバーなども相場を押し上げているのかもしれない」と話した。

  ブルームバーグのデータによると、残存20年物と40年物の利回り格差は20日時点で4bp程度と、2014年10月末の日銀追加緩和以降で最低となった今年4月1日の2bpに接近した。

Bloomberg

  日銀が1月29日に「マイナス金利付き量的・質的緩和」導入を決定して以来、国債利利回り曲線全体の押し下げが進んでいる。利回り曲線の基点となる無担保コール翌日物金利が政策金利のマイナス0.10%付近まで低下する中、国債利回りは残存13年付近までがマイナス圏に沈んでいる。こうした中、21日の20年債入札が順調に通過できるとの観測のほか、5月の大型連休を控えて休暇中の利息収入を確保するため、金利がプラス圏にある超長期債に先回り的な買いが入ったとの見方も出ている。

  三菱UFJ信託銀の鈴木氏は、「多少、日銀金融政策決定会合での緩和期待も債券を買いやすくしているのかもしれない。ゴールデンウイークまでのイベントをみても、明日の20年債入札と来週の日銀会合しかないが、少なくとも今の需給主導の相場では日銀会合までは調整する感じがしない」と語った。

  黒田東彦日銀総裁はこの日の衆院財務金融委員会で、「必要ならば追加的な措置を講ずることは一貫している」と答弁。「技術的な制約はない。さらなる緩和の余地ある」と述べた。日銀は27、28日に金融政策決定会合を開催する。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「20年債入札後は5月の30年債入札まで、超長期ゾーンの供給が3週間程度空いてしまう」とした上で、「10年債までマイナス金利に沈んでいるので、利回り曲線のプラス金利の年限を買ってくることになるだろう。短期トレードの向きが多い中で、20年債入札でも一定の需要があるだろう」と話した。

  三菱UFJ信託銀の鈴木氏は、「20年債入札が無難に終われば、下手をすると今週中に20年債利回りが0.2%割れとなる可能性も否定できない」と述べた。

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