みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、日本銀行のマイナス金利政策には弊害が多いとし、撤回すべきだと主張する。今月の金融政策決定会合では日銀の決定内容にかかわらず、株安・円高が進むリスクが高いとみている。

  上野氏は15日のインタビューで、マイナス金利は銀行収益を過度に圧迫するほか、消費者心理の萎縮などの副作用を招いているとし、「できれば即時撤回すべきだ。マイナス金利だけ切り離して解除すべきだ」と語った。「マイナス金利はブームのようなピークは過ぎていて、むしろ限界、弊害、副作用を注視するステージに一歩進んだと思う」と指摘した。

  日銀のマイナス金利政策導入を受け、債券市場では残存期間13年程度までマイナス金利が及んでいる。外国為替市場では、マイナス金利導入が発表された1月29日以降、対ドルで11%の円高が進行。銀行株は1割以上下げている。

  上野氏は、日銀が今月27、28日の会合で追加緩和を見送れば、全面的に失望感を招いて株安・円高になるとし、追加緩和を行うとしても「どの組み合わせでやっても、株や為替がどこかで逆噴射する可能性がある」と指摘。「やりそうでやらない、いつでもやるぞと言いつつ、今回はやめたが、臨時会合を開いてできるなど、緊張感を持たせて乗り切ることしか合理的に考えると道はない」と話した。

  その上で、米国の利上げの回数が少ないというベースラインは変わっておらず、日本の円高阻止策を含めて手詰まり感がある状況で、為替が円安方向に進む「ハードルは極めて高い」と指摘。年後半には米国の利下げ観測が浮上し、1ドル=105円程度まで円高が進むとの見通しを示した。

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