日銀総裁:ヘリコプターマネー全く考えていない-法的枠組みと矛盾

  • 必要ならちゅうちょなく3次元で緩和、限界はないと黒田氏
  • 為替にひも付きで金融政策は運営しない-衆院財務金融委

黒田東彦日本銀行総裁は20日の衆院財務金融委員会の日銀半期報告の質疑で、景気刺激策の財源を中央銀行の紙幣増刷で賄ういわゆるヘリコプターマネー政策は「全く考えていない」と述べた。同時に、物価安定目標達成のために必要なら追加緩和を行う姿勢をあらためて示した。

  黒田総裁はヘリコプターマネーについて、金融政策と財政政策を一体的に行うとの認識を示した上で、財政は政府と議会、金融政策は政府や議会から中立的な中央銀行が行うので、「一体としてやるのは法的枠組みと矛盾する」と指摘。これまでに「具体的に検討したこともない」と重ねて否定した。また現在のマイナス金利付き量的・質的緩和は「財政ファイナンスではない」と述べた。

  今後の金融政策については、リスクを点検し必要なら量・質・金利の3次元で追加緩和をする姿勢を堅持した。国債市場の流動性に問題が生じているとの見方を否定し、「量的緩和の限界は当面考える必要ない」と強調。マイナス金利についても、技術的に「引き下げに限界はない」と指摘した。

  上場投資信託(ETF)購入に関しても十分留意しながら購入を続けているとし、「株式市場で日銀のプレゼンスが大き過ぎることはない」と述べた。

  週末に米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、「通貨の競争的な切り下げ回避や競争力のために為替レートを目標としないことを含む、為替相場についての以前のコミットメントを再確認する」との表現を声明に盛り込んだ。

  黒田総裁は、声明は従来のG20の考え方を再確認したもので、日銀のマイナス金利を含め金融政策を制約しないとの認識を示した。為替と物価の関係については「為替が円高に振れると物価を引き下げる方向に働くのは事実」としながらも、「為替にひも付きで金融政策を運営するということではない」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE