円全面高、資源国通貨安主導でクロス・円売り圧力-対ドル108円後半

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  • ドル・円、朝方の109円33銭から一時108円76銭まで円高に振れる
  • Brexitリスクなど控え手放しにリスクオンなれない-ソシエテ

20日の東京外国為替市場では円が全面高。対ドルでは1ドル=108円台後半に上昇した。原油先物相場が時間外取引で下落していることを受けて資源国通貨への売り圧力が強まっており、クロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)中心に円買い優勢の展開となった。

  午後3時25分現在のドル・円相場は108円81銭付近。円は朝方に付けた109円33銭を下値に一時108円76銭まで水準を切り上げている。円は主要16通貨に対して前日終値から上昇。資源国通貨のニュージーランド・ドル、南アフリカ・ランド、オーストラリア・ドルが対円での下落率で上位3位を占めている。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、昨日は欧米株式市場がしっかりだったことがドル・円の支えとなったが、「短期的なテーマに乏しい中でポジション調整主導の動きであり、109円台半ばからの上値は重そう」と指摘。「中期的にはBrexit(英国の欧州連合離脱)リスクなどのリスク要因も控えており手放しにリスクオンになれない」と話す。

  ニューヨーク原油先物相場はアジア時間20日の時間外取引で下落し、1バレル=40ドル台を割り込む場面も見られている。クウェートの石油労働者はストライキを終結すると発表した。

  IG証券の石川順一マーケットアナリストは、原油価格に関しては産油国の増産凍結合意がない限り先安観がくすぶるとし、「原油先物相場が時間外で小幅安で推移していることから資源国通貨の利益確定売りが強まっている」と説明。クロス・円の下落につながり、ドル・円の上値を抑えていると言う。

  財務省が20日に発表した貿易収支は7550億円の黒字と、2010年10月以来の大きさだった。輸出は前年同月比6.8%減の6兆4566億円、輸入は15%減の5兆7016億円だった。

  IG証の石川氏は、「輸出の減少は、輸出先の景気減速を裏付ける」とし、「その中で円高圧力も強まっている状況を勘案すると、輸出関連株を中心とした日本株のネガティブ要因になる」と指摘。リスク選好の材料であるとはいえないと話す。

  日本銀行の黒田東彦総裁は20日の衆院財務金融委員会の日銀半期報告の質疑で、景気刺激策の財源を中央銀行の紙幣増刷で賄ういわゆるヘリコプターマネー政策は「全く考えていない」と述べた。同時に、物価安定目標達成のために必要なら追加緩和を行う姿勢をあらためて示した。

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