熊本地震で寸断の交通網が徐々に復旧、新幹線一部再開-被災地へ物資

熊本地震では建物の倒壊のほか、被災地を中心に道路や鉄道網などの交通網が寸断されていたが、交通・物流の復旧が徐々に進んでいる。14日の地震以降は全線で運転を休止していた九州新幹線が20日から一部区間で始発から運転を再開した。

  九州新幹線は新水俣駅と鹿児島中央駅の間で20日の始発から運転を再開すると、国土交通省が19日に発表した。JR九州では本数を減らして運転している。博多駅と新水俣駅の間は引き続き運転を見合わせている。空の玄関口の熊本空港は地震でターミナルビルを封鎖していたが、19日から発着便の運航を開始した。

  断水や停電などの地域がある被災地ではライフラインの復旧が進んでいるが、飲料や食料などの支援物資を被災者に届けるため、交通・物流の復旧が喫緊の課題となっている。安倍晋三首相は19日の地震非常災害対策本部会議で「今日も厳しい交通状況の中、献身的に陸路で物資を搬送してくれている流通業のみなさんと自衛隊や警察が協力して、被災者の命をつなぐ水や食料を被災地に届けてくれている」とあいさつした。

  九州新幹線については、地震により熊本市内で脱線した車両の復旧作業が18日から始まった。JR九州では昼夜で作業班を投入し、油圧ジャッキなどを使い車両を線路に戻す作業を進めている。広報担当の太田周作氏によると、地震の影響で高架橋のひびやホーム桁損傷、線路上での煙突倒壊などの設備被害があり、全線再開のめどはたっていない。

緊急物資を迅速に輸送

  九州地方の高速道路も地震により広範囲で通行止めになっている。国交省の発表によると、九州自動車道では19日午前、熊本市の植木インターチェンジ(IC)と益城熊本空港IC間の緊急車両の通行を開始、緊急物資の被災地への迅速な輸送が可能になるという。

  物流にも復旧の動きが出ている。ヤマト運輸は地震により熊本県への宅急便の荷受けと、県内全域の集荷・店頭の荷受けを中止していたが、19日から再開したと発表。広報担当の山本寛之氏によると、阿蘇市など一部地域では道路網の寸断で遅れが生じているほか、完全なサービス復旧には至っていない。現地に幹部が入り、陣頭指揮をとるなどで配送サービス復旧に努めているという。

  菅義偉官房長官は19日午後の会見で、一連の地震による死者が46人、重軽傷者1100人超とし、警察・消防・自衛隊が特に被害の集中している南阿蘇村を中心に、引き続き捜索・救助活動中と述べた。

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