債券反落、20年入札実需乏しいとの見方で売り優勢-緩和観測が下支え

更新日時
  • 先物は12銭安の151円94銭で終了、長期金利マイナス0.105%まで上昇
  • 新発2年債利回りと新発30年債利回りは過去最低を更新

債券相場は反落。この日実施の20年債入札結果は順調だったものの、投資家需要が乏しいとの見方などを背景に、利回り曲線のフラット(平たん)化が進展してきた反動の売りが優勢となった。

  21日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比4銭安の152円02銭で開始し、いったん151円95銭まで下げた。午後0時45分の20年入札結果発表後には5銭高の152円11銭まで上昇したが、すぐに売りに押されて水準を切り下げ、151円73銭まで下落。結局12銭安の151円94銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.13%で開始。入札後にはマイナス0.105%と15日以来の水準まで上昇し、その後はマイナス0.12%に戻している。新発2年物の363回債利回りはマイナス0.27%と過去最低を更新した後、マイナス0.265%で推移した。

  新発20年物の156回債利回りは0.5bp低い0.25%で開始し、午後に入ると0.28%まで上昇し、0.26%で推移した。新発30年物の50回債利回りは0.28%と過去最低水準で開始した後、いったん0.30%まで上昇。その後は水準を切り下げ、一時0.265%と、午前に付けた最低水準を更新した。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「超長期ゾーンで過去最低利回りの更新が続く中、20年債入札は実需に乏しく、達成感から先物や20年ゾーンなどに売りが出たのではないか」と話した。「超長期ゾーンの日銀買いオペが月内2回残っており、日銀トレードを前提に買えた部分もあるが、相場の支えになるかどうかだ。これが相場下落のトレンドにつながるか分からないが、行き過ぎ感があったことは確かだ」と言う。

  財務省が午後発表した表面利率0.4%の20年利付国債の入札結果によると、平均落札利回りが0.262%、最高落札利回りが0.272%と、前回に続いて過去最低を更新。最低落札価格は102円40銭と市場予想と一致した。小さければ好調さを示すテールは21銭と前回の29銭から縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.55倍と、昨年11月以来の高水準となった。

  UBS証券の井川雄亮デスクアナリストは、20年入札結果について、「市場予想が前場の水準対比で弱めであったため、金利水準の低さに警戒はあったのだと思う。ただ、日銀決定会合で緩和の可能性がある中で、国債買い入れの拡大も警戒されており、しっかりの結果につながったとみられる」と分析した。

  入札後の相場展開について、UBS証の井川氏は、「直後に買いで反応したものの、その後は利益確定の動きもあり、売られている。とはいえ、さらなる金利低下リスクを見込んだ押し目買い意欲も強く、値崩れすることはないだろう」と述べた。ただ、「さすがに金利水準もかなり下がっており、金利の低下余地は20年利回りで0.2%、10年債利回りでマイナス0.20%がいったんのめどになる」とみている。

フラット化

  今週の国内債市場では、来週27、28日に日銀金融政策決定会合の開催を控える中、金利がプラス圏にある超長期債への買い圧力が強まっている。前日は新発20年物、30年物、40年物の利回りがいずれも過去最低を記録。30年債はこの日まで4営業日連続で過去最低を更新している。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、超長期ゾーンの利回りは20年債から40年債までかなりフラット化してしまったとしながらも、「金利低下は行くところまで行くしかない感じだ」と話した。「来週の日銀決定会合での追加緩和期待も根強い上、従来通りの国債買い入れが続くだけでも金利は当面上がらない可能性が高い」とみている。

  20日の米国債相場は下落。米10年債利回りは前日比6bp上昇の1.85%程度で終了した。原油先物相場が上昇したことや米株式相場の底堅い推移が売り材料となった。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物がほぼ5カ月ぶり高値となった。

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