4月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、米住宅着工件数が予想以上に減少-円も安い

19日のニューヨーク外国為替市場ではドルが10カ月ぶり安値に下 落。3月の米住宅着工件数が予想以上に落ち込んだことで、米政策金利 引き上げをめぐる不透明感が強まった。

ドルは主要通貨の大半に対して値下がり。米経済が完全雇用と2% のインフレ目標を達成できるか、当局は経済データの精査を続けてい る。この日は円も下落。原油と株式が上昇し、逃避需要が後退した。

CIBCワールド・マーケッツの外為戦略エグゼクティブディレク ター、バイパン・ライ氏(トロント在勤)は電子メールで、「ここ最近 は米経済データが市場にプラスのサプライズをもたらしていたが、3月 の住宅着工件数で勢いがやや弱まり、ドルの守勢継続につながるだろ う」と指摘した。

ここ数年ドルは上昇が続いていたが、米金融当局の政策引き締め時 期をめぐる予想が後退する中、今年は主要16通貨中14通貨に対して下落 している。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.6%低下。終値ベ ースで昨年6月19日以来の安値を付けた。ドルは対ユーロで0.4%安の 1ユーロ=1.1358ドル。

円は対ドルで0.4%安の1ドル=109円21銭。先週には107円63銭 と、1年5カ月ぶり高値に上げる場面があった。

米商務省が19日発表した3月の住宅着工件数(季節調整済み、年率 換算、以下同じ)は、前月比8.8%減の109万戸と昨年10月以来の低水 準。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査での予想全てを下回っ た。着工件数の先行指標となる住宅着工許可件数も減少した。

主要10通貨では、ニュージーランド(NZ)ドルやオーストラリ ア・ドルといった資源輸出国通貨が上昇。NZドルは一時1.5%高、豪 ドルは一時1%上げた。

パイオニア・インベストメンツの通貨戦略ディレクター、パレシ ュ・ウパダヤ氏は「米金融当局は少なくとも7月まで政策を据え置く見 通しで、金融政策のかい離というテーマはもはや注目されていないと市 場は考えている」と指摘。「ドルは高利回りの新興国通貨や主要10通貨 中の資源国通貨に対して売られている」と続けた。

原題:Dollar Falls to Lowest Level Since June as Housing Starts Slump(抜粋)

◎米国株:続伸、S&P500種は2100台で終了-商品関連銘柄に買い

19日の米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は4カ月ぶり高値 を記録した。企業決算が強弱まちまちの内容となる中、もみ合う場面が 目立ったが、商品関連銘柄が上昇した。

素材株は9カ月ぶり高値。原油相場が5日ぶりに上げたことを背景 にエネルギー銘柄が上昇した。決算が予想を上回ったジョンソン・エン ド・ジョンソンやゴールドマン・サックス・グループ、ユナイテッドヘ ルス・グループも高い。一方、ネットフリックスは2014年以来の大幅安 となり、IBMは昨年10月以来のきつい下げ。いずれも決算が失望を誘 った。DNA分析機器メーカーのイルミナは23%安。1ー3月(第1四 半期)の暫定売上高が市場予想に届かなかった。

S&P500種株価指数は前日比0.3%上昇の2100.80と、昨年12月1 日以降で初めて2100の節目を上回って終了した。ダウ工業株30種平均 は49.44ドル(0.3%)高の18053.60ドルで終えた。一方、ネットフリッ クスやイルミナが足かせとなり、ナスダック総合指数は0.4%下落し た。

テミス・トレーディングの株式トレーダー、マーク・ケプナー氏は 電話インタビューで、「2月に聞かれたリセッション観測は消え、中国 も安定しつつあり、世界の商品相場全体の支援材料となっている。ネッ トフリックスとIBMが下げる中で、S&P500種が上昇するとは考え もしなかったが、モメンタムが引き続き強まっている」と指摘した。

株式相場は朝方に上げ、ダウ平均は100ドル近く上昇したが、 IBMやネットフリックスがこの日の安値を付ける中で、相場全体も昼 ごろに勢いを失った。S&P500種とダウ平均は共に下げに転じる場面 もあったが、午後に入って商品関連株と銀行株が上げ幅を拡大したため に再び堅調となった。

S&P500種は2月の安値から14%戻している。原油相場の回復や 金融政策が引き続き成長を支援するとの楽観が背景にある。同指数は年 初来の下げを埋めた後、昨年5月に付けた最高値まであと1.5%未満に 迫ってきた。

これまでのところ、企業収益への市場の反応はおおむね良好だが、 予想に達しなかった企業に売りを浴びせることもいとわない。ネットフ リックスは13%急落。同社は4-6月(第2四半期)の契約者数の伸び が海外を中心に鈍化するとの見通しを示した。IBMは5.6%下落。第 2四半期の利益見通しが市場予想に達しなかった。フィリップ・モリ ス・インターナショナルは1.3%安。第1四半期の業績が予想を下回っ た。

S&P500種構成銘柄の第1四半期利益は9.5%減と予想されてい る。構成銘柄のまだ10%前後しか決算は発表されていないが、そのう ち58%で売上高が予想を上回り、78%で利益が予想を上回った。

S&P500種の全10セクターのうち素材株やエネルギー株の上げが 目立った。銀行を中心に金融株も高い。一方、IBMが足を引っ張り、 情報技術(IT)株は0.6%下落。

原題:S&P 500 Advances Amid Mixed Earnings as Commodity Shares Rally(抜粋)

◎米国債:下落、原油反発でインフレ加速観測が高まる

19日の米国債は下落。原油価格が上昇し、インフレが加速するとの 見方が強まった。債券市場が示す今後10年間のインフレ期待値は約3週 間ぶりの大幅上昇となった。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴール ドバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「原油相場が継続的に回復したら米 国債にとっては確実に圧力となるだろう。それはこの先のインフレ加速 を示唆するからだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.79%。同年債(表面利率1.625%、償還2026年2 月)は1/8下げて98 18/32。

TDセキュリティーズのゴールドバーグ氏ら原油価格の回復に伴い 長期インフレ連動債券が上昇すると見込んでいる。3月半ばには10年物 インフレ連動債(TIPS)の買いを奨励。30年物TIPS買い・5年 物TIPS売りも勧めた。

通常の10年債と同年限のTIPSとの利回り格差である10年ブレー クイーブンレートは4bp拡大し、1.62%となった。これは3月30日以 来で最大の伸びだった。原油先物相場は5日ぶりに上昇。クウェートで のスト継続が材料になった。

経済成長やインフレ見通しを懸念する投資家を中心に債券資産の需 要が高まっている。ブルームバーグのデータによれば、償還期限10年以 上の米国債リターンは年初から6%超に押し上げられた。

欧州や日本でマイナス金利が導入され、投資家は長期債に目を向け ている。中でも比較的利回りの高い米国債に注目が集まっている。この 日の独10年債利回りは0.17%だった。

原題:Treasuries Decline as Inflation Bets Heat Up Amid Oil Recovery(抜粋)

◎NY金:続伸-銀先物は10カ月ぶり高値に上昇、強気相場入り

19日のニューヨーク貴金属市場では銀先物が10カ月ぶり高値をつ け、強気相場入りした。中国の工業用金属需要に関して明るい見方が広 がった一方で、米利上げの観測は後退しつつあることが背景。この日は 金先物も上昇。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレク ター、タイ・ウォン氏は電話インタビューで、「市場はあらゆる石の中 で輝く宝石を見つけており、銀は歴史的にかなり急激な動きをするとの 事実を生かそうとしている」と指摘。「銀が工業用に多用されることか ら、卑金属の上昇も特に銀を支えている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銀先物5月限は前日 比4.4%高の1オンス=16.972ドルで終了。12月につけた最近の終値ベ ースの安値からは20%超の上昇となる。一時は17.11ドルと昨年6月以 来の高値となった。

金先物6月限は前日比1.6%上げて1オンス=1254.30ドル。ニュー ヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも上昇した。

原題:Silver Futures Enter Bull Market as Prices Jump to 10-Month High(抜粋)

◎NY原油:大幅反発、クウェートのスト継続とドル下落で

19日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反発。石油輸出国機構 (OPEC)で産油量4位のクウェートで石油労働者のストが3日目に 入ったことを背景に、5営業日ぶりに上昇。ドルが10カ月ぶりの安値に 下げ株価が上昇したことも、原油を一段と押し上げた。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの商品責任者、フランシス コ・ブランチ氏(ニューヨーク在勤)は「最も安定し順調な産油国でス トが起きたことは、大きなサプライズだ」と話す。「売り込まれても市 場は買い場と見なす。今年後半には供給超過から供給不足へとシフトす るだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日 比1.30ドル(3.27%)高い1バレル=41.08ドルで終了。ロンドン ICEのブレント6月限は1.12ドル(2.6%)上昇の44.03ドル。

原題:Oil Climbs First Time in 5 Days Amid Kuwait Strike, Dollar Drop(抜粋)

◎欧州株:3カ月ぶり高値-ダノンとロレアルに買い、売上高予想上回る

19日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が続伸し、 3カ月ぶり高値を付けた。鉱業株が買われたほか、フランスの食品会社 ダノンと化粧品メーカーのロレアルの売上高がいずれも予想を上回った ことが好感された。

ダノンとロレアルは大幅高となった。スイスの製薬会社ロシュ・ホ ールディングは2%上昇。乳がん治療薬に対する需要増が1ー3月の売 上高を押し上げた。オランダの塗料メーカー、アクゾノーベルは5%強 の値上がり。利益が予想以上だった。英鉱山会社アングロ・アメリカン が8.5%高と急伸するなど、鉱業株指数は5カ月ぶり高水準に達した。

ストックス600指数は前日比1.5%高の349.24と、1月以来の高値で 引けた。原油相場が5営業日ぶりに上昇したことも追い風となった。世 界の景気見通しに対する懸念から同指数は3月半ば以来、波に乗りきれ ない状況にあったが、最近は上昇ペースを速めている。ユーロ圏の株価 下落に備えたオプションの費用に連動するVストックス指数は年初来の 最低となった。

ウニクレディト銀行のストラテジスト、クリスチャン・ストッカー 氏(ミュンヘン在勤)は「ダノンとアクゾ、ロシュの好決算は企業業績 が思われたほど悪くないことを裏付けた」とし、「来週は景気敏感株の 決算発表が増えるため状況が変わり得るが、現時点ではかなり良い。米 国やアジアの時間帯で原油相場が回復し、少なくとも安値で安定した」 と語った。

原題:Europe Stocks Rise to 3-Month High; Roche, Danone Gain on Sales(抜粋)

◎欧州債:イタリア債続落-銀行団通じ20年債65億ユーロ発行と関係者

19日の欧州債市場でイタリア国債が続落。同国の財務省が銀行団を 通じて65億ユーロ相当の20年債を発行すると伝えられたことが背景にあ る。

事情に詳しい関係者によれば、利回りは2.302%に設定された。ス ペイン国債もこの日は値下がり。周辺国の国債パフォーマンスは高格付 け国の債券に対して低調だった。欧州中央銀行(ECB)は同日公表し た銀行融資についての四半期調査で、マイナス金利が銀行収益に悪影響 を及ぼしていると指摘。これを受けて、周辺国債は下げ幅を拡大した。

みずほインターナショナルの金利ストラテジスト、アントワーヌ・ ブーベ氏(ロンドン在勤)は「イタリア国債は軟調だ」とし、「銀行団 を通じた20年債発行の影響を免れるのは困難だが、欧州債に影響を及ぼ した主因は銀行収益性への影響を指摘したECBの与信調査だ。ほかの 条件が一緒でも、これはイタリア国債に打撃を与える」と語った。

ロンドン時間午後4時38分現在、イタリア10年債利回りは前日比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.41%。一時 は1.42%と、7日以来の高水準となった。同国債(表面利率2%、2025 年12月償還)価格は0.545下げ105.35。同年限のスペイン債利回りは5 bp上げ1.54%となった。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは2bp上昇し0.18%。 フランス10年債利回りも2bp上げ0.52%。

原題:Italy’s Bonds Fall as Nation Sells $7.4 Billion of 20-Year Debt(抜粋) PRICED: Italy EU6.5b 20Y BTPS +39(抜粋)

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