【インサイト】モルガン・スタンレーの人員削減、これで終わりと思うな

モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)が掲げる株主資本利益率(ROE)10%の目標はまた遠のいたようだ。18日発表の1-3月(第1四半期)決算の資料によれば、同四半期のROEは6.2%に低下していた。

  野心的な目標を掲げるのは危険な道だとゴーマンCEOはアナリストとの電話会議で認めた。金融機関にとっては特にそうだ。市場の波乱に見舞われれば顧客が保身に走り、増収に向けた最良の計画も役に立たなくなるからだ。

  そういうわけで、モルガン・スタンレーが頼れる主な手段はコスト削減ということになる。同社は既に「合理化プロジェクト」という名の下でこれを速いペースで進めている。例えば第1四半期の報酬費用は前年同期比で19%減った。コストを減らしたにもかかわらずROEは低下した。収入の方が大きく減ったためだ。1-3月の収入は前年同期比21%減だった。将来に向けてウェルスマネジメント事業に期待がかかっていたが、同部門の収入も4%減った。

  合理化をさらに加速させるしかないだろう。これは難しい事業戦略だ。いつも雇用を心配している従業員が最良の仕事をするのは困難だからだ。ゴーマンCEOは18日、経費削減計画について「積極的に」世界でのコスト構造を見直すと説明した。

  利益を押し上げるために積極的にコストを削減している企業に大きな期待を抱くのは、従業員にとっても投資家にとっても難しい。ゴーマンCEOにとって幸運なのは、他の金融機関もコスト削減を進めているので、従業員の士気についてはそれほど心配しなくてもよいことだ。しかし投資家の方はそうはいかず、18日の株価パフォーマンスは市場全体を下回った。

  モルガン・スタンレーの幹部らは、市場が落ち着きつつある最近数週間の傾向が続くことを期待している。しかし、「現在のままの状態が続くならば、目標達成は極度に難しくなり、適切な追加措置を取らざるを得ないだろう」とゴーマンCEOは述べている。いずれにせよ、同社の「合理化プロジェクト」の詳細を見る限り、追加の人員削減、業務の外注、低コストな都市への職の移転があり得そうだ。

  マイナス金利や米金融政策および中国経済をめぐる疑問、欧州の政治問題と難民危機と、ゴーマンCEOが挙げた第1四半期の逆風が完全にやむことは考えにくい。つまり、モルガン・スタンレーの人員削減が債券部門での25%だけで終わるとは思うなということだ。

原題:Don’t Be Shocked by More Pink Slips at Morgan Stanley: Gadfly(抜粋)

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