日銀とは対照的-パワー増大の人民銀、預金準備率引き下げは不要か

  • 中国の貨幣乗数は2006年以来の高水準-日本では1990年代に急低下
  • 「準備率を今引き下げるのは、火に油を注ぐようなもの」との声も

中国人民銀行(中央銀行)は、日本銀行など先進国の多くの中央銀行とは極めて対照的だ。マネーサプライ(通貨供給量)拡大を通じて新規融資を生み出すパワーが強まっている。ブルームバーグの集計データによれば、いわゆる貨幣乗数は2006年以来の高水準だ。

  日本ではこの比率が1990年代に急低下した。資産バブル崩壊に伴う不良債権に苦しんだ邦銀の間には貸し渋りが広がった。

  みずほセキュリティーズアジアの沈建光チーフエコノミスト(香港在勤)は、人民銀が発表した3月の統計に示される新規融資とM2の伸びは人民銀の資金供給が与信拡大に寄与しており、預金準備率引き下げの必要性が低下していることを示唆していると指摘した。

  中国国際金融(CICC)の余向栄氏らアナリストは最近のリポートで、人民銀が流動性の供給手段を拡大していることが貨幣乗数を押し上げていると分析。資本流出に直面する中で、大手銀行の預金準備率引き下げペースを落とすことを可能にしそうだとしている。人民銀は預金準備率を昨年の早い時期の20%から5回引き下げ、17%と5年ぶりの低水準に設定している。

  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの大中華圏チーフエコノミスト、胡志鵬氏(シンガポール在勤)は、「預金準備率を今引き下げるのは、火に油を注ぐようなものだ。人民銀は警戒し、しばらく様子見するだろう。恐らく短期的には引き下げは不要だとみている」と述べた。

原題:China Central Bank Credit Engine Proves Most Powerful Since 2006(抜粋)

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