ドラギ総裁就任後の低金利、ドイツ預金者を直撃-不動産投資の動きも

  • 2011年のECB総裁就任以降、約15兆4300億円の利息収入が消失
  • 独経済は良好、恩恵受けられない高齢者が原因問うとDIW所長

ドイツで年金生活を送るドロテア・ダームさんは退職後の生活に備え、数十年にわたりこつこつと貯金をしてきたため、老後の生活に不安はなかった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の政策がダームさんの預金を脅かすまでは。

  広告会社の元幹部で、ドイツ西部フランマースフェルトに住むダームさん(68)は電話取材で、「私の世代は先行き不透明な時代に備え、また次世代を手助けするために貯蓄すべきだと教わって育った」と振り返る。ECBの金融政策による最近の利息収入の少なさは「非常に不安だ」と語った。

  ECBの記録的な低金利政策により、一般的にお金に対して保守的な考えが強く、不動産や株式よりも預金口座に資金を置く傾向にあるドイツ国民が影響を受けてきた。ドラギ氏が2011年にECB総裁に就任して以降、1250億ユーロ(約15兆4300億円)の利息収入が失われた。

  ドイツ経済研究所(DIW)のマルセル・フラッツアー所長は、貯蓄に関して「この問題は政治的に火種となる可能性を秘めている」と分析。「ドイツ経済は良好に推移しているように見えるため、多くの高齢者が『なぜ私はその恩恵を受けることができないのか』と自問している」と述べた。

  ドイツ政府はこの状況を留意しており、16年には23年ぶりの大きさとなる4%を超える年金支給の増額に踏み切る。

  ダームさんは低金利が長期化するシナリオを心配し、昨年12月にベルリンのアパートを購入することを決めた。そこには娘も住んでいる。ダームさんは、「私がこの年齢で不動産に投資するとは考えたことがなかったが、ECBの金融政策でそうせざるを得なかった」と話した。

原題:Draghi’s Low Rates Leave Germans Worried About Dwindling Savings(抜粋)

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