アジア富裕層にドル買い推奨、域内中銀がシンガポールに追随緩和も

  • ウォンと台湾ドル、バーツ、ペソは下落へ-クレディ・スイス
  • シンガポール・ドルと円に対して米ドル購入を-UBS

アジアの富裕層向けマネーマネジャーが顧客に米ドルを買うよう推奨している。アジア通貨の今年の上昇は息切れし始めている。

  クレディ・スイス・グループはプライベートバンキング(PB)顧客に対し、韓国ウォンと台湾ドル、タイ・バーツ、フィリピン・ペソなどで構成される通貨バスケットに対する米ドルの上昇を想定した取引を提言。UBSグループはシンガポール・ドルと円に対して米ドルを買うべきだと指摘した。アジアの富裕層向けに約2億5000万米ドル(約272億円)を運用管理するスタンフォード・マネジメントは顧客に対し、1米ドル=1.35シンガポール・ドルを割り込む状況での米ドル買いを勧めた。

  シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行)が今月14日に予想外の金融緩和に踏み切ったことから、他国の政策当局も世界経済見通しの悪化懸念を受けて同様の措置を講じるとの臆測が高まっている。円を除くアジア10通貨の指数であるブルームバーグ・JPモルガン・アジア通貨指数は今月0.2%下落した。トレーダーの間で米利上げ時期の見通しが見直される中、1-3月期には1.9%上昇し、7四半期ぶりのプラスとなっていた。

  クレディ・スイスのPB・ウェルスマネジメント部門の外国為替シニアストラテジスト、クーン・ハウ・ヘン氏(シンガポール在勤)は「1-3月(第1四半期)のアジア通貨の力強い上昇の後、今は米ドル高に備える好機だ」と指摘。「他のアジア諸国中銀も、自国の成長見通しが一段と悪化した場合、年後半に追加緩和に踏み切るリスクがある」と分析した。同氏によると、中国人民元が再び下落する見通しや米金融当局による年後半の2回の利上げ観測が米ドル相場を押し上げるという。
  
  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏は、ニュージーランドと韓国、台湾の金融当局が成長てこ入れのため今後数カ月以内に利下げする公算が大きいと予想。また、日本銀行が4月28日に資産購入の増額と一部当座預金金利の一段の引き下げを決めるとの見方も示した。

原題:Asia’s Rich Urged to Buy Dollars as Singapore Fuels Easing Bets(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE