債券上昇、プラス金利求めた買い優勢-20年・30年・40年債が過去最低

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  • 新発20年債利回り0.25%、30年債0.285%、40年債0.30%まで低下
  • 先物は前日比6銭高の152円06銭で終了、一時152円12銭まで上昇

債券相場は上昇。新発20年債、30年債、40年債の各利回りが過去最低水準を更新した。需給環境の良好さを背景に21日の20年債入札に対して楽観的な見方が出ており、金利水準がプラスにある年限を買う動きが強まった。

  20日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比2銭高の152円02銭で取引を開始した。午後の取引開始後に1銭安まで伸び悩んだ後、再び水準を切り上げ、152円12銭と3月9日以来の高値を付けた。結局は6銭高の152円06銭で引けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「外部要因とは関係なく、需給が引き締まる中で、プラス金利が付いているところに資金が集まる状況が続いている。多少、日銀決定会合での緩和期待も債券を買いやすくしているのかもしれない」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.13%で開始。その後は水準を切り下げ、マイナス0.135%で推移した。新発20年物156回債利回りは2.5bp低い0.25%、新発30年物50回債利回りは4.5bp低い0.285%、新発40年物8回債利回りは5.5bp低い0.30%まで低下し、いずれも過去最低を更新した。新発2年物の363回債利回りもマイナス0.265%を付け、これまでの最低水準を下回った。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「需給面での金利低下バイアスが意識されている。通常は水準が下がれば益出し売りが想定されるが、海外金利も上昇しておらず、円安でもなく、益出し売りを出すタイミングや理由がない」と話した。「明日の20年債入札後は5月の30年債入札まで、超長期ゾーンの供給が3週間程度空いてしまう。次の焦点は、10年債入札よりも30年債入札だろう。3週間のうちに、日銀の超長期ゾーンのオペが3回以上入ってくる可能性がある。需給面を考えると売れる人がいない」と話した。

  日銀が実施した今月8回目となる長期国債買い入れオペ3本(総額1兆2400億円)の結果によると、残存期間1年超3年以下の応札倍率が前回から低下した。3年超5年以下、5年超10年以下は上昇した。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「あす入札を控えているが全然弱くならないので、証券会社にかなりショートがたまっているとか、翌日物コール金利が結構下がってきたので、海外勢がこれを理由にもう1回追加緩和できるんじゃないかという話も出ている。いろいろな要因が重なっている。今のオペ額を考えると多少買う人が出てくるだけで需給が完全にゆがんで金利低下が加速してしまっている状況。需給主導の動き」と述べた。

  黒田東彦日銀総裁はこの日、衆院財務金融委員会の日銀半期報告の質疑で、物価安定目標達成のために必要なら追加緩和を行う姿勢をあらためて示した。

  ドイツ証の山下氏は、「来週の日銀金融政策決定会合でネガティブな政策が出てくることはないだろう。日銀だけがマイナス金利を拡大しても、為替が動くとは期待できない」と言う。

20年債入札

  財務省は21日午前10時半から、20年利付国債の価格競争入札を実施する。156回債のリオープン発行となり、表面利率は0.4%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回から1000億円減額の1兆1000億円程度となる。

  三菱UFJ信託銀の鈴木氏は、「ゴールデンウィークまでのイベントをみても、明日の20年債入札と来週の日銀決定会合しかないが、少なくとも今の需給主導の相場では日銀決定会合までは調整する感じがしない。20年債入札が無難に終われば、下手をすると今週中に20年債利回りが0.2%割れとなる可能性も否定できない」と述べた。

  ドイツ証の山下氏は、「10年債までマイナス金利に沈んでいるので、利回り曲線のプラス金利の年限を買ってくることになるだろう。全く手を出さないというよりも、ある程度買わざるを得ない投資家がいると思う。短期トレードの向きが多いなかで、20年債入札でも一定の需要があるだろう」と話した。

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