日本株V字反発、為替・海外株落ち着き安心-政策期待も、ソニー急伸

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19日の東京株式相場は3営業日ぶりにV字反発、前日に500円を超す急落を演じた日経平均株価は一気に500円以上戻した。為替の円高一服と欧米株堅調、原油価格の下げ渋りで世界市場混乱への警戒感が後退、大規模災害の発生で政府・日本銀行の政策支援期待もある。九州工場の生産を再開したソニーが急反発し、熊本地震による過度なサプライチェーン懸念も和らいだ。

  東証1部33業種は銀行、保険、証券・商品先物取引など金融株、電機や輸送用機器、機械、精密機器など輸出株、海運や非鉄金属株など全て高い。TOPIXの終値は前日比42.88ポイント(3.3%)高の1363.03、日経平均株価は598円49銭(3.7%)高の1万6874円44銭。日経平均の上昇率は3月2日以来、1カ月半ぶりの大きさだ。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役は、「持続するかどうかまだ不透明だが、為替はこれ以上円高にいかないのとのムードになっている」と指摘。米国は利上げに慎重になりつつあるほか、「中国の景気に対する見方も前向きになっている。グローバルなリスクオンになり、その流れに乗っている」と話した。

  きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=108円90銭台ー109円20銭台で推移、18日の日本株終了時点107円98銭からドル高・円安方向で取引された。18日のニューヨーク原油先物は1.4%安の1バレル=39.78ドルと続落。産油国会合の増産凍結の見送りで時間外取引では急落していたが、クウェートの産油量がストの影響で2日連続で減少したことを受け、下げ渋った。同日の欧米株は、企業決算の期待が先行し、反発した。

  為替の円高一服、海外株、原油市況の落ち着きを受けたきょうの日本株は朝方から先物主導で幅広い業種に見直し買いが先行、日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。UBS証券の大川智宏エクイティ・ストラテジストは、「短期のシクリカルプレイ。長期資金の流動性が低いので、インパクトが出やすくなっている」と言う。

  また、ソニーは18日、熊本地震発生後に一部停止していたスマートフォン向けイメージセンサーの長崎工場のほか、大分県工場の生産を17日から再開したことを明らかにした。ゴールドマン・サックス証券は、熊本地震のモバイル向けイメージセンサー供給に対する影響が軽微になることが確認できた点はポジティブ、と指摘。きょうのソニー株は6.5%高と急反発、前日は6.8%安と急落していた。

  さらに市場の一部では、激甚災害指定レベルの事象発生で消費税増税の先送りや日銀の追加緩和を見込む声も出ている。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「市場は先送りを相当織り込んできている。足元の景気がもたついている上に熊本地震が発生し、足を引っ張る可能性がある」と指摘。日銀の緩和を警戒する動きも出始めており、「ドル・円が円高の方向に向かわなかった」と話した。

  業種別の値上がり率トップは銀行。ドイツ証券は、日銀のマイナス金利拡大の可能性は低くなっており、ETF買い入れ額が現行の年間3兆円から6兆円や9兆円に増額されれば、銀行株にとってかなりのポジティブ要因と18日付のリポートで言及した。

  東証1部の売買高は20億9797万株、売買代金は2兆864億円。上昇銘柄数は1792、下落は118。売買代金上位ではソニーのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3社が大幅高。トヨタ自動車やソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、ホンダ、マツダ、村田製作所、TDK、日本電産、第一生命保険も高い。半面、鹿島や大林組、中外製薬は軟調で、若築建設は反落。

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