米国債:下落、ブラックロックが長期債の損失を見込む

更新日時
  • 今後5年間のリターンはマイナスに-ブラックロックのターニル氏
  • 想定リターンは危機後最低、もしくはその付近-ターニル氏

18日の米国債相場は下落。ブラックロックは長期の米国債とユーロ圏諸国の国債で、今後5年ほどは損失が発生するとみている。債券価格の高さに加え、低金利がリターンを抑制するためという。

  4兆6500億ドル(約506兆円)の資産を運用するブラックロックは、世界的に金利がマイナスに抑えられている時代でリターンを生み出すには、投資家は激しい値動きと流動性の低下を覚悟せざるを得なくなると指摘した。18日の米国債相場はニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言を受けて反落。ダドリー総裁は米経済に関するニュースの「ほとんどが好ましい内容」だと述べ、欧州の成長見通しにも改善がみられると指摘した。

  ブラックロックのグローバルチーフ投資ストラテジスト、リチャード・ターニル氏は「米国の長期債とユーロ圏の国債は今後5年、マイナスのリターンになるというのが今の弊社の予想だ」と18日付のリポートで説明。「安全な投資先とリスク資産の間で想定リターンの開きが拡大し、株式と債券の想定リターン差拡大に反映されるだろう」と分析した。

  経済成長とインフレに対する投資家の自信が揺らぐなか、債券への需要が高まり、ブルームバーグのデータによると期間10年以上の米国債の年初からのリターンは7.3%に達した。欧州や日本がマイナス金利を導入し、世界的に国債利回りが大きく低下。資金は期間の長い債券や、比較的利回りの高い米国債に向かっている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.77%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)の価格は98 22 /32。30年債利回りは2bp上昇の2.58%。

  インフレ期待に敏感な30年債利回りは上昇。ダドリー総裁は「労働市場が一段と強くなり、これまでインフレを抑制してきた一過性の要因がなくなるのに伴い、インフレは今後数年かけて当局が目指す2%に戻ると確信する」と述べた。発言内容はニューヨーク連銀のウェブサイトに掲載された。ダドリー総裁はまた、「著しい不透明感が続いており、金融危機による成長への向かい風は完全に吹きやんでいないため、金融政策の調整は漸進的かつ慎重なものになる可能性が高い」と述べた。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月の会合で政策金利を据え置き、年内に予想する利上げ回数を4回から2回に引き下げた。国際通貨基金(IMF)は先週、米経済の成長率予測を引き下げた。

  ブラックロックのターニル氏は資産クラスを超えた今後5年間の投資見通しとして、「想定リターンの多くが危機後最低、あるいはその付近になっている。多くは過去の平均を下回る。こうした想定には現在のバリュエーションの高さと、今後5年間の世界経済成長率の見通し低下が反映されており、それは米経済の回復が長期にわたって横ばいで進むとの見通しと整合する」と説明した。

原題:Treasuries Fall as BlackRock Expects Losses for Long-Dated Debt(抜粋)

(相場を更新し、見出しと本文のほぼ全体を書き換えます.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE