ウォール街に原油急落の爪痕、4銀行が業界向け融資で引当金積み増し

米史上最大の原油ブームの後遺症が鮮明になってきた。JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループの4米銀のエネルギー業界向け融資は合わせて1900億ドル(約20兆6000億円)に上る。4行はいずれも先週、こうした融資を対象とする貸倒引当金の積み増しを明らかにした。エネルギー融資が銀行資産全体に占める割合は大きくないが、アナリストの電話会議では注目を浴びた。

  米国の記録的な石油生産急増は、巨額の借り入れなしには実現し得なかった。シェールブームを盛り上げた掘削業者の多くは独立系で小規模。こうした業者は原油価格が1バレル=100ドルの時ですら積極投資によってキャッシュフローがマイナスとなり、そこを埋めたのが銀行融資とジャンク債だった。つまり、銀行がいなければ米国のシェールブームはなかった。

  原油価格がバレル40ドル程度になると、多くのエネルギー企業は存続が難しくなった。特に厳しいのが石油・天然ガス生産会社のような「上流」企業と油田サービス会社だ。法律事務所へインズ・アンド・ブーンによれば、2015年初めから今年3月23日までに51社の北米油田サービス会社が破綻。4月3日までに破産法適用を申請した石油・天然ガス生産会社も59社に上る。これらの破綻企業の債務は合わせて約270億ドル。

  4銀行の中でウェルズ・ファーゴはこれらのセクターへのエクスポージャーが最も大きく約140億ドル。BofAは77億ドル、シティは約112億ドル。JPモルガンは1-3月(第1四半期)のセクター別の内訳を明らかにしていない。15年末は440億ドル相当の融資とコミットメントのうち52%前後が当該セクター向けだった。

原題:Wall Street’s Oil Crash, a Story Told in Charts(抜粋)

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